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当たり前の価値観は環境によって変わる

青春18きっぷを使って福井の祖父の家に一人で12時間かけて遊びに行ったことがあります。

目的地への移動手段としてだけでなく、景色を眺めたり読書することが心地よくて電車に乗ること自体が好きです。

子育て中の現在は、車移動が楽だし安心だったりするので電車に長時間乗ることが出来ていません。

またしばらくしたらローカル線に乗りに行きたい。

昨年の銚子電鉄に初乗車も楽しかったです。


そんな移動好きを肯定してくれそうな本。


移動することによって所属するコミュニティが変わると「普通」や「当たり前」の環境が大きく変わる効果があるようです。

環境が変わると感情が変わり、その結果行動が変わり人生が変わっていく。何かを変えたかったらまずは移動することが大切。

農耕社会による定住が人類の繁栄であった反面、ヒエラルキーを生み出した現代に繋がるという視点から書籍や映画・音楽なども多数紹介されています。

もし、稲作や小麦の栽培が始まっていなかったなら、人類は今のような姿にはなっていなかったのだろうか。

本書にも引用されていますが、私がかつて「サピエンス全史」を読んだときに一番衝撃を受けたのはホモ・サピエンスは農業革命により小麦の奴隷になったという部分でした。

新しい農業労働にはあまりにも時間がかかるので、人々は小麦のそばに定住せざるをえなくなった。そのせいで、彼らの生活様式が完全に変わった。
・・・私たちが小麦を栽培化したのではなく、小麦が私たちを家畜化したのだ。

ユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」

人間が小麦に支配されているとはそれまで考えたことがなかった。

定住によるリスクやマイナス面が強調されているため、賛否両論な意見があるように思いますが、身を置く環境が固定化すると価値観も固定化してしまう可能性があります。

なるべく多くのコミュニティに飛び込んでみるフットワークの軽さは持つべきかなと思います。なかなか行動に繋がらない場合にはその手始めとして移動を繰り返してみるとよいのかも。

著者から直接話を聞いているような感覚でサクサクと読み進めることが出来て今すぐ出掛けたくなるような本でした。

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