花組「エンジェリックライ」ゆるい感想① ネタバレしかない
花組観てきました!
花組宝塚大劇場公演、観劇してきました〜!
大好きな綺城ひか理さんの退団公演なので、しんみりしながら初日を迎えるかと思っておりました。
ところが、稽古場映像を観た瞬間にこんな面白い公演全力で楽しまなきゃもったいなさすぎる!!というスイッチが入りまして。
毎公演楽しく観劇しております。
まだこの『エンジェリックライ』という作品の世界観に振り回されている状態での感想なので、これから通っていく内に変わることもあるかもしれません。
初日から間もないフワフワな思い出として、ネットの海に放流しようと思います。
ゆるい感想
全体を通して明るく楽しく、ラストも清涼感があり、とても好きな作品です。
谷貴矢作品、絶対にハッピーエンドにしてやるからな!!という気概を感じます。
個人的な『エンジェリックライ』の印象は、読み切りで賞を取って出版されたら人気が出て後々シリーズ化するジュブナイル小説。
天使と悪魔、宝石メインの訳ありトレジャーハンターヒロイン、友情も恋もありますし、角川ビーンズ文庫あたりで読んだ気がしてきた。
天使チーム、悪魔チーム、人間チームで衣装もお化粧もそれぞれ特徴があって素敵!
天使チームはキラキラしたストーンを顔に付けていて、それも可愛い。
悪魔チームは赤と黒がチームカラーだと思うので、それをメインにメリハリのあるお化粧で格好いい〜!
人間チームは、舞台上でそれぞれ個性の塊な衣装なのが印象的。あと、すぐスマホで撮りまくるの現代〜って感じ。
紆余曲折の末、主人公たちが望んだ未来を掴み取る話が本当にジャンル問わず大好きなので、今回本当に楽しいです。
永久輝さん、星空さんのトップコンビお披露目、新体制の花組という意味での未来、退団される方のこれからの歩みという意味での未来、どちらにも幸多からんことをというメッセージも感じさせる、座付き作家らしい良い作品だと思います。
アザゼル
演じていてきっと難しいだろうけど、ハマったらめちゃくちゃ楽しいんだろうな~というキャラクター!
天界一の大ホラふき、バランスを間違えたらシバきまわしたくなること間違いないですが、脚本と永久輝さんの役作りの絶妙さで憎めないキャラクターに仕上がっているな、と。
ラスト、最初と同じ衣装を着ていることからアザゼルは望んで地上にいるだけで天使の力を失っていないにベットしている派です。
人外×人間は人外の看取りエンドこそ至高だと思っているので、この後アザゼルとエレナの関係がどんな結末を迎えようともエレナの最期をアザゼルに看取ってほしすぎる。
エレナ
ラノベヒロインすぎる。
ポスターのピンクのショートカットが本当に可愛い!!
自立心や年相応の葛藤、一本譲れないものや芯になるものも伺えて、とても魅力的でした。
かといって、ただのまっさらで真っすぐなヒロインではなくて。
星空さんのカルメンもとっても好きで……自立心というか、譲れない芯をしっかりと持った女性を演じるのが本当に上手い。
個人的には『高慢と偏見』のエリザベスとか、『伯爵と妖精』のリディアとか観てみたいなと今回エレナを観ていてふと思いました。
彼女自身、トレジャーハンターと名乗りつつも宝石専門の盗賊稼業じみたことをしていたのは事実。
盗品の宝石を換金する=石とパーツに分け、それを足がつかないように裏ルートで売りさばくツテが必須ですし、彼女自身完全に光の当たる道を歩いているわけではきっとないと思います。
「これからは、ひとまず孤児院のために頑張るわ」といって、一つ頷いて下手側に捌けていくところもとても好きなのですが、やっぱりあれってラファエルが見せられた指輪の暗示による幻なの……?
でも、彼女がアザゼルとの出会いや父との和解を経て、トレジャーハンター以外の方法で孤児院のため、島のために生きていくのはきっと事実なので真っ当に荒稼ぎしてほしい。
フェデリコ
凪七さん演じられるフェデリコ。
作中通してとても理性の人だなという印象でした。
ラウロ(フラウロス)との関係もあくまでもビジネス相手であり、自分が悪魔を従えているという驕りが無い。あくまで契約。
そういう人間と悪魔の契約、大好き〜!
このめっちゃ頭使って生きていそうな人が、結論として娘のために悪魔なんていう荒唐無稽な存在と手を組んでいるのがアツい。
妻を失った⇒何かが足りない⇒娘とやり直すために必要な物は何なのか⇒母さんだ!!!
という一連の思考回路が斜め上にぶっ飛んでいて、初日観劇時、脳内で「そうはならんやろ!!」と全力でツッコミ入れました。
一度死を迎え、肉体から離れかけた魂をヴィータ(アズラエル)の手で戻されていることから、彼の身もまっさらな人間というわけではないと想像できます。
フラウロスの催眠についても、元々そういうものにかかりにくいタイプの人であるというだけでなく、天使の手によって生き返らされたことも耐性に影響しているのかな、と。
声掛けや蹴りと張り手で護衛のジュリオ、ファビオを催眠から覚醒させる所が好きです。
まあ、腕っ節強そうなので純粋な腕力もあるとは思いますが、対魔術的な意味でのバフが乗ってそうだな〜と思いました。
そうだったらいいな。かっこいいから。
ラウロ(フラウロス)
自分のことめちゃめちゃ賢いって思ってるタイプで、作中の悪人成分を一手に引き受けていました。
ソロモンの指輪を手に入れて何がしたいかという目的もわかりやすく、指輪の適格者が現れたときのギミックも作り込まれていて、良かったです。
目的のためにきちんと手を打つタイプの悪魔なんだな〜真面目〜と思いながら観ていました。
きちんと手を打つからこそ、フェデリコとの契約文言の漏れはきっと意図的なのだろうと。
契約書はきちんと読まなければいけないことを改めて教えてくれる悪魔。
ちょっとした動きの不気味さや鋭い目つきが印象的で、普段の聖乃さんのイメージとガラリと変わっていて、面白かったです。
あんなごっつい黒縁メガネかけてもかっこいいのすごい。
エレナとソロモンの指輪が適合した場面で、星空さんの手を掴み、指輪と彼女の指先を確認するような仕草が印象的。
おそらくフラウロスの目には、指輪の魔力とエレナの魔力が同じ色、そして結びついているように見えているのかなと。
スーツも悪魔の姿になっても豹柄なのは、フラウロスってグーグル検索かけるとでてくる図が豹人間だからかなと思っていたところ、先日放送されたステージドアにて、フラウロス=豹のイメージと言及されていたので当たってガッツポーズしました。
今回、ソロモン72柱の中でフラウロスが選ばれたのは、悪魔と人間に擬態した姿を一人が演じる場合に、共通したモチーフを衣装に取り込みやすいことも理由に挙げられるのかな。
ラファエル
光の守護聖様かと思いました。
天界一の二枚目で天帝の右腕、ドがつくほど真面目なアザゼルの同期。
なおかつ、アザゼルに振り回されてすぐに手が出たり抜刀しちゃう血の気の多さ。
そして、登場タイミングも絶妙で、真面目にしているからこそ思わず観ていてくすりとしてしまう可愛さのようなものも。
えっ設定盛りすぎでは……?
アザゼルが地上に堕ちた後も少し心配そうにしていたりしますし、犬猿の仲などと言いつつも、嫌いではないんだろうなというのが伝わってくる絶妙な距離感がたまりませんでした。
当て書きゆえにファン視点でニヤつきそうになりつつも、その要素が役作りやストーリーの邪魔をしないのも良かったです。
「斬る!!」と言って剣を振り回すのも天界では日常茶飯事で、天帝目線ではじゃれてるようにしか見えてないんだろうな〜可愛いな〜
座談会にて綺城さんも「谷先生作品はキャラデザ力」と仰っていた通り、こういうキャラクターっていう一言で表せる部分からたくさん肉付けされて、今回の大天使ラファエルという役が出来上がっていて。立ち回りや走り去る時の振る舞いが堂々としており、目線の使い方もさすがで。
この作品の大天使ですってお出しされた時の説得力がありすぎ。
アザゼルを地上から天界に連れて行く時の担ぎ上げ方、私は布団のようにアザゼルの腹というか腰あたりに腕を回して持ってく派です。
きっと、あの大きな羽根をバッサバッサさせながら、ぎゃいぎゃいやり取りして天界に戻ったんだろうなと。
あと、剣が光るのもかっこいい〜!
大天使が持つ剣ですからね、当然光るし点滅します。
ナウオンでもお話されていて、ご本人的にもこだわりポイントなんだな、剣……。
綺城さん=人外か人間でいえば人間というイメージが強かったので、前回の『ドン・ジュアン』の亡霊、そして今回のラファエルと、がらりと雰囲気は違えど、人ならざる存在を連続で浴びてみて思うのは、もう役の幅すごいな~と。
地上に降りてきた時は人間に擬態するのかな?スーツとか着ちゃうかな?と想像を膨らませていましたが、そんなことはありませんでした残念!
終始、人間には見えないので、警官達にすごい接近したりと毎回ギリギリを攻める姿にこちらも腹筋を刺激されています。
ラファエルが見えないのはいいとして、彼にくっついていた葉っぱは人間視点でどう映っているのかが大変気になりました。些事だけど。
今回の公演の酒
毎回、公演にちなんだ酒を飲むのが観劇の楽しみのひとつ。
今回はもちろん、作中でアザゼルが奢ってもらったカルーアミルク!
先日の観劇時は、行ったバーが牛乳を扱っていなかったので飲めず……
次回観劇時にHUBでちょっと飲みます。