体は覚えている
先日103歳で亡くなった
父方の祖母の3回忌があったので、
祖母を偲んで記事を
書いてみようと思った。
祖母には2人の息子(私の父と叔父)
がいたが、そのどちらも
祖母が亡くなる前に
亡くなっている。
祖父は私の父が7歳ぐらいの時に
病気で亡くなっているので、
祖母は戦中戦後の
大変な時代の中、
女手一つで2人の息子を育てたのだ。
祖母が亡くなる数か月前に
祖母の居る施設から、
食事をしなくなった。と連絡があり、
もうすぐお迎えが来るかもしれないと、
私と母で祖母の居る新潟の
施設まで祖母に会いに行った。
祖母は体は元気だが認知症の為、
家族の顔や名前はごちゃごちゃになっている。
叔父が数年前に亡くなった時以来
会っていなかったので、
私と母の事は分からないだろうと思った。
施設に着いて、係の方の案内で
祖母の居る部屋まで行く途中、
車いすのご老人が数名居るのが目に入った。
すると、その内の1人が私たちの方を見て
手を挙げにっこり笑っていた。
「あれ?おばあちゃんじゃない?」
てっきり部屋に居ると思ったが、
おばあちゃんだった。
「おばあちゃん!元気だった?」
と言っても、ほとんど言葉も話せず、
わかっているような、わかっていないような反応。
でも、私たちを見て、手を挙げて笑ってくれた、
これって頭ではなく体が反応しているんだなぁ。
体が覚えているんだなぁ。
と思うような出来事だった。
良い事も悪いことも記憶は体に刻まれる。
快不快は頭よりも体が先に察知している。
自分の体感覚に意識を向けると、
このことが本当に良くわかる。
食事をしなくなったという祖母の為に
食べ物を沢山買って行ったが、
施設の方が祖母の食欲は戻り、
会いに行ったその日は
お昼ご飯のたこ焼きを
10個も食べたと言っていた。
恐るべしおばあちゃん。
おばあちゃんは強いのだ。
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