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吉原の花の託け(ことづけ)

はじめに

こんにちは!今晩はNHK大河ドラマ『べらぼう』の第5回放送日です。
前回は、蔦屋重三郎がハシゴを外されるという、悔しいシーンがありましたね。彼の怒りが伝わるようで、私もつい感情移入してしまいました。何か新しいことをしようとすると、それをやっかんだり、邪魔をしてくる人が現れる。
これは世の常なのかもしれません。

終わりは始まり

新年にこのnoteを始める際、5回を一区切りと考えていました。
結果として、吉原について十分にお伝えできたとは言えませんが、自分の考えをアウトプットできたことは、とても貴重な経験になりました。

お稽古では覚えることが多く、じっくり作品の背景や自分の考えに向き合う時間がなかなか取れないのですが、こうして文章にすることで、改めて整理し、自分の内面と向き合うことができたと思います。

ハシゴを外されることと、前に進むこと
冒頭で触れたように、ドラマの中で蔦屋重三郎は、
自分が一生懸命取り組んでいたものに対して、突然ハシゴを外されるという経験をしました。実は、私自身も最近、大きな変化がありました。
それは時に痛みを伴うものですが、必要なことでもあります。

前に進むためには、後ろの扉をしっかりと閉めることも大切です。
自分が注いできたエネルギーや情熱が大きければ大きいほど、その扉は重く、なかなか閉めることができません。
けれど、確実に前に進むためには、勇気を持って扉を閉める決断が必要なのです。

クイズの答え

前回のクイズの答えは、「気品」「崇高」 でした。
吉原の最高位である花魁「傾城」の部屋に、この花が飾られていたことは、花魁のあるべき姿を暗示しているようにも思えます。

傾城を踊る時、それは単なる振付ではなく、「生き方」を表現することにもなる。
芸道に精進するという言葉の意味をもっと深く理解する必要があるように思いました。

武家の庭によく植えられていた「椿」 も興味深い存在です。
花弁が散ることなく、花ごと「ぼとっ」と落ちる様は、武士の死生観を表していると言われています。
日本の美意識は、こうした細やかな表現の中に息づいているのですね。

これから

今日は、吉原の「俄(にわか)」 という行事でよく使われる牡丹の花をトップに飾らせていただきました。 獅子と牡丹は、よくセットで描かれます。 しかし、百獣の王といわれる獅子にも、弱点があります。 それは、獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)。 獅子の体内に巣食う寄生虫が、時にその命を脅かすことがあるのです。 「内部の裏切りが身を滅ぼすことがある」 この言葉には、人の世を生きる教訓が込められているのですね。 冒頭の蔦屋重三郎がハシゴを外された話を思い出します。 彼の情熱は決して滅びることはないでしょうが……。 そして、そんな獅子の命を救う薬となるのが、牡丹の花に溜まる夜露。 獅子にとって牡丹は、切っても切り離せない存在なのです。 人もまた、一人では生きていけない。 同じ志がある方々との良い関係を築きながら生きていくことが、 時に、何よりも大切なことなのかもしれません。 牡丹があるからこそ、獅子は百獣の王たれる。 この言葉は、私たちの生き方にも通じるものがあるように思います。

日本舞踊や着付けのお稽古、イベントについては、HPのお問い合わせフォームからご連絡くださいませ。

https://www.wakanafumika.com/


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