群発頭痛と自律神経
アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏 より
今回は、一次性頭痛の中の群発頭痛についてお伝えいたします。
(一次性頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛などのタイプがあります。)
そのほかの頭痛については、こちら「頭痛と自律神経」をお読みください。
【群発頭痛】
症状と特徴
・群発頭痛は中年の男性に多い
(片頭痛は女性に多い)
・痛みは,原則として片側性の痛み
鋭く激しい痛み、突き刺すような強い痛み
・目の奥からこめかみに生じる
「目の奥をえぐられるような痛み」
・反復性と慢性のものがある
◆ 反復性群発頭痛:季節の変わり目など期間に特徴がある場合
▶︎ 1回 15分から180分の痛みの発作
▶︎ 1日に1〜数回(毎日ほぼ同じ時間帯に生じる人もいる)
▶︎ 数日〜数ヶ月
▶︎ 頭痛の発作期間が過ぎると症状の無い日が数ヶ月から数年続く
◆ 慢性群発頭痛:1年以上頭痛の発作を繰り返す場合
このタイプの場合、痛みのない時期がほとんどない
・随伴症状:眼球結膜充血,流涙,鼻汁 などが頭痛側に認められる
顔面の発汗、落ち着きがないなどもある場合がある
・誘発原因:アルコールの過剰摂取、タバコ、気圧の急激な変化、不規則な時間帯の睡眠など
病態・原因
群発頭痛のメカニズムは、まだまだ判明していない部分が多いです。
最近は、4つの説が有力となっています。
①視床下部が起点となるという説
視床下部が支配している人間の体内時計の日内リズム異常が頭痛の要因と考える説。
②神経ペプチドなどの変化による説
群発頭痛患者では、頸静脈中のカルシトニン遺伝子関連ペプ チド(calcitonin gene-related peptide;CGRP)、血管作動性腸管ペプチド(Vasoactive intestinal peptide;VIP)などの神経ペプチドの増加が起こることが示されつつあり、これが頭痛の要因と考える説。
③内頸動脈の拡張説
何らかの原因により内頸動脈が拡張し、周囲を圧迫することによって、血流のうっ滞や副交感神経の活性化が起き、頭痛に繋がるという説。
④三叉神経の過剰興奮→副交感神経の活性化が生じるとする説
何らかの原因で三叉神経が刺激され、その刺激が眼の奥にある内頸動脈や硬膜に伝わる。この興奮が自律神経の中枢である上唾液核にまで伝わり、副交感神経が興奮し、頭痛に繋がるとする説。
ーー【私見】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上記の病態・原因を見てみると、群発頭痛と自律神経の間に切り離せない関係性がありそうな感じがしますね。自律神経系の調整にとっても重要な視床下部が、頭痛にも関連しているということだったり、内頸動脈などの血管の拡張と収縮は自律神経がコントロールしていることなどもありますしね。まだまだ解明されていない部分が多く、断言できることはありませんが、自律神経に問題があると頭痛の改善を妨げる可能性はありそうですね。自律神経と頭痛の関係性が詳しく分かってくることを心待ちにしています。
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治療
医師による診断と処方により以下の治療などがあります。
・注射や点鼻剤
・酸素吸入
・内服薬
対策
・発作の起こりやすい期間は誘発原因を避ける
アルコールの過剰摂取、喫煙、不規則な時間帯の睡眠を避ける
・気圧の急激な変化で頭痛が生じる場合があるので、気候の変化を前もって確認しておくことや、登山や飛行機に乗る際は、前もって主治医に相談が必要。
そのほかの頭痛については、こちら「頭痛と自律神経」をお読みください。
最後までお読みいただきありがとうございます🍀
アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏より
日本アレルギーリハビリテーション協会
アレルコア
福のしま研究会
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アレルギーや自律神経に対するリハビリテーションの講習会情報につきましては、以下のHPをご覧ください。
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【今後の研修会予定】
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動画公開期間:11月20日(月)10:00〜12月29日(金)22:00 まで
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