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リットリンクで1億ユーザーを目指すために必要な起業家という蟻の死

こんにちわ。 TieUps inc.(タイアップス)  CEOの小原です。noteを書くのは3年ぶりです。

このnoteでは我々TieUpsチームが何を考え、1億ユーザーというマイルストーンを定めたのかそこに至るまでの苦悶と、その先に待ち受ける起業家という蟻の成功観と死生観について書きたいと思います。


TieUpsが運営するlit.linkは、スマホだけで作れるリンクまとめサービスで、3年で250万のクリエイターに活用していただくサービスに成長しました。
https://lit.link/



宣言「リットリンク 1億ユーザーを狙います」

リットリンクをリリースしたのは2021年1月で、そこから3年間で国内で類似サービスが30個ほど生まれる状況下で、何とか国内は勝ち切れる体制ができてきたと思います。

リリース当初からありがたい事にトラクションには恵まれたのですが、この3年はプロダクトのゴールをどこに置くのか悩む毎日でした。


こちらが、主な選択肢です。

  1. スモールプロダクトとしてバイアウトで終わらせる。

  2. プロフィールデータを活用してキャスティングや転職支援

  3. すでに年間7億近いPVがあり広告収益モデルに仕上げる

  4. ユーザー数を最大化してサブスクリプション


  1. スモールプロダクトとしてバイアウトで終わらせる。
    ありがたい事に沢山オファーをいただきましたが、後述するプロダクトの特異性に魅了されていたため、まずバイアウトは選択肢から消しました。

2.プロフィールデータを活用してキャスティングや転職支援
周囲からよく打診された案でしたが、どちらかというと営業を中心としたオペレーション偏重の組織になり、上場に耐えられる規模に至らないか達成しても、一部のマーケットを取る絵しか見えませんでした。

3.すでに年間7億近いPVがあり広告収益モデルに仕上げる
我々にとっては最も筋が悪く、toCというとシード期にはすぐに「広告モデル」と言われますが、ネットワーク広告の収益の乱高下とUXの改悪による離脱を勘案すると微妙で、純広告は営業獲得が至難の技でさらに茨の道です。

結論、4.ユーザー数を最大化してサブスクリプションにするをゴールに設定しました。 

 これも至極安直なマネタイズモデルなのですが、リットリンクのコストをかけずにユーザーが伸び続ける特性をフルに活用する事が、このプロダクトのグロース戦略を組む上で最も王道と捉えて、そのような選択をしました。

いま振り返るともっと早くこの決断をすべきだったとの思いはありますが、コスト負担に苦しみながらも無料サービスとして赤字Jカーブを掘り続けたことで、確立した国内No1というポジションですので、早くても遅くてもそれぞれ一長一短あったと思います。

1億ユーザーを目指す意義と意味

現在、世界人口が81億人いる中で、世界的なトップサービスは20億人近いユーザーを獲得しています。

我々の身近な地域発で唯一1億ユーザーを越えたのはLINEのみで、それ以降1億ユーザーを達成したサービスはありません。

いま現在、日本発でグローバルで勝てるtoCサービスはまず生まれないという見解が、国内のスタートアップの常識になりつつあります。
これについては出資を検討するVCから、繰り返し呪いのように言われます。「確率が低い」の一言で一蹴される事もしばしです。


できないにチャレンジして蟻として死ぬことこそが起業家の役割

達成が難しい理由はさまざまフィードバックされますが、それで足がすくんでいては、チャレンジができず新しい価値も市場も生まれません。

スタートアップ起業家はチャレンジ精神に溢れ華々しく映ることもあると思いますが、僕は社会の役割でしかないと思います。

蟻の群れでスタートアップ起業家の状況を例えると、女王蟻がいて働き蟻がいて兵隊蟻がいて衣食住を整え生活サイクルがリピートで繰り返えされ安定するように群れで運営されています。

ここから働き蟻の一部が、群れの歩みから抜け出し新しい餌場を探す。 その蟻は確実なサイクルから抜け出し、餌場が見つかる前に死ぬ可能性が高まります。
その上で新たな餌場が見つかれば、群れの大きな繁栄に貢献できます。

スタートアップ起業家の役割はこれであって、群を飛び出した蟻の殆どは死ぬことが仕事で、その一部が成功するだけです。

偉い。華々しい。格好いい。云々ではなく、ただの役割です。

ですので「できない」「確率が低い」は、起業家としてやらない理由にはなりません。
それでも登る山に価値があって勝ち筋が見えたなら、決死の覚悟でチャレンジするしかないです。



日本のファイナンスが小さいのはVCのせいではない

よく世界にチャレンジしたい起業家が「日本はファイナンス規模が小さいから、世界に挑戦できない」という趣旨の発言をしているのを見かけますが、僕は違うと思っています。

ファイナンスの世界は合理的で、その会社に、そのマーケットにベットする価値があればお金は集まります。

日本のファイナンスが小さくなっているのは、鶏卵ではないですが起業家の取り扱っている市場が小さいからだと思います。

toCサービスであれば、そのサービスが拡大できる余地が小さいからです。


ここに僕たちがチャレンジしているサブスクリプションの、至極単純化した売り上げ計算式があります。

日本のサービスと世界のサービスを比較して、(B)課金率と(C)課金単価が、日本が著しく低いという事はありません。

日本のtoCスタートアップのファイナンスが小さくなったり、IPOの規模が小さくなるのは確実に(A)ユーザー数の規模が小さいからです。

最高のプロダクトを作り、最高の会社を作り、最高のファイナンスをし、ユーザー、社員、投資家、社会に対して最高のパフォーマンスを提供する餌場をこの日本で目指すには、やはり1億ユーザー達成というマイルストーンが正しいと改めて思います。


どんな勝ち筋を攻めているのか

先ほど「起業家は死ぬのが役割」と言いましたが、実際に死ぬと分かって飛び込む起業家はいません。

できる限りの勝ち筋を描き、オペレーションし確実に新しい餌場を開拓できるように進みます。

当然、我々は「死なずに、1億ユーザー達成するつもり」です。(ドヤッ)

マーケット選定上の強み

TieUpsの事業はC to B(カスタマー to ビジネス)と定めていまして、一般的に物やサービスを消費するだけだった消費者(カスタマー)が、自ら物やサービスなどの価値を想像し、企業や社会に貢献するビジネスモデルです。

このフォーマットの面白いところは、消費者が熱狂して貢献するのでtoCのような盛り上がりやバズが生まれるのに、toBサービスのように定着するところです。

例えばtoCサービスであるクラブハウスを3年後に使っているユーザーは殆どいない。 反対にtoBで伸びているnotionはスタートアップでは使われているが、一般の認知は殆どない。

もう一つ面白いところで、消費者がビジネスに貢献するツールとして、モバイルに最適化したビジネスツールを提供しています。

我々のリットリンクは、モバイルで世界一編集が楽しいホームページビルダーを目指しています。
自分のページを作り起業や社会とコラボするクリエイターを増やす事が、C to Bのビジネスにつながるという整理です。


ここでモバイルノーコードという副産物を生み出しています。

モバイルノーコードという言葉は、まだ検索してもヒットがなかったので、概念としてあまり考えている人がいないジャンルです。

いま世界は新たにITに接続できた人が増え続けていますが、その殆どはパソコンではなくモバイルです。

モバイルをターゲットに体験を作り込むことにより、パソコン向けビジネスツールと比較して、大きなマーケットを目指すことができ、これがトラクションになることにより、いまも10人程度の小さいチームで250万ユーザーを達成し、今後も1億ユーザーを目指すにあたり、大きな後押しになると考えています。

他にも1億ユーザー達成させるにあたり、リットリンクだけが持っている異常なプロダクト特性など、数値を交えた資料がいくつかありますが、すでにかなりの長文になってきたので、今回は割愛します。

端的にまとめると、リットリンクはコストをかけずにユーザー数を伸ばす、プロダクト特性を磨いており、その特徴を上手くいかす事で1億ユーザー達成に近づくという事です。

シンプルな機能のリリースとこれから

10月30日に3年以上無料で続けたリットリンクに、サブスクリプションの課金機能を追加しました。

リットリンクの「スマホだけで、リッチなページができる」を正当に進化させる追加機能がリットリンクプラス加入で使えます。

リットリンクプラス特設ページ


ものすごくシンプルな機能のリリースで、これで1億ユーザーを狙えるとは思っていません。

今後、リットリンクを1億ユーザーに近づけるにあたっては、以下の利用頻度の考えが重要になると考えています。

利用する頻度が月より週、週より日で使われるサービスの方が、アクセス頻度が多くサービスのトラクションが大きくなるという考えです。

現在のリットリンクは不定期で、まとめページを更新する時に訪れるサイトであるため、そこまで更新頻度が高くはありません。

その先のSNSなどが更新されるため、まとめページとして見る人は多いです。

ここに、リットリンク +「新機能X」を取り込み、利用される頻度を数十倍に跳ね上げます。

1億ユーザーを達成するために必要な「新機能X」のストーリーはすでに組んでいて、2025年の中頃までにはリリースしたいと思っています。

「新機能X」が何かはVCの皆様と新規採用の候補者には説明しています。


TieUpsでは一緒に日本発1億ユーザー達成を目指す、litな仲間を募集しています!

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