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道具のことなど。


 もう数カ月前のことだけど、まな板を買った。

 ローマでの生活も、3年目に入った。ここではいわゆる家具付きアパートで暮らしていて(長く住んだヴェネツィアでも、最初に学生生活を始めたペルージャでもそうだったけど)、大型家具や家電、あとは台所用品なども基本的なものは備え付けがあるのだけど、お鍋類や最低限の食器類は自分のものがよくて、イタリア
にきた時からずっと、引っ越しの度に持ち歩いている。お鍋もお皿も、今、手元にあるのは、ほとんどが最初にペルージャにいたときに購入したものだから、実のところみんな二十年(超)選手たち。日々の酷使にも幾度かの移動にもめげず頑張ってくれていて、みんな現役バリバリで衰えを見せない。

 そんなお鍋やお皿たちはイタリアで購入したものだけど、包丁は、最初に日本からいわゆる万能包丁を1本持ってきて、これまたずっと使っている。もう少し自分でも研いでお手入れをしないと、と思いつつも元々が無精だから、まあ切れるからいいや、と使い続けていて、今回も2年前に日本で一回研いで頂いたっきり、そのまま毎日のように使っている。

 実は、まな板も以前は日本から最初に持ってきたものをずーっと使っていたのだけれど、木製でかなりしっかりしたものだったので、2年前に日本からローマに来る際には、迷ったのだけどイタリアにないものではないし、まあ来てから買おうと思っていた。

 家具付きの、今のアパートはキッチンの調理スペースが激小で、それに合わせた小さなまな板がついていたので、そのうち自分のを買わねばと思いつつ、気づいたら1年半以上経っていた。

 ある日ふと、MUJI(無印良品)のお店で最小サイズの檜のまな板を見つけて、買ってみたら、これがなんととっても使いやすい!あまりにも軽いのも新鮮だったけれど、何よりびっくりしたのは、包丁は同じはずなのに、ものすごく切れ味がよくなったこと!!!野菜もお肉も、シャキッと切れて、おまけにトントンという音がそれはもう気持ちがいい!(お魚は、ここでは自分で調理する気力を失っている。)で、シャキッと切れると、それだけでお料理もおいしくなる(気がする)。

 わ、道具の大切さってこういうことなんだな・・・と、MUJIの回し者でもなんでもないけど、実感している。

 20年選手たちに、厳選の末に2年前の渡航に加わったグラスたち、旅先で目についたマグやコーヒーカップ・・・やっぱり好きなもの、特に使いやすいものはそれだけで心が和む。世の中の断捨離ブーム、ミニマリストにはとてもでないけど近づけそうにない。

13 feb 2023

#日々の暮らし #キッチン用品 #イタリア生活 #包丁とまな板 #MUJI #エッセイ




















 

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