「レヴィ=ストロース斜め読み」 出口顕
青弓社
読みかけの棚から
読みかけポイント:第1、2、3、7章
著者名の「あきら」は本来はもっと難しい字(旧字体)。
第1章 哲学から人類学へ
出口氏による、レヴィ=ストロース解読。「構造」とは不変なものではなく、適宜変わりつつ回りのコンテキストも変化させる。構造分析とは終わりのない「鏡の表面を滑っていくもの」だ、そうだ。というわけで、普遍的なものから具体的なものに対象を移したことから、レヴィ=ストロースは哲学から人類学に研究を移した。という説明はなかなか。具体的なもの、差異と反復ということは、あまりドゥールーズ、ガタリとかと離れていないのかな?と感じた第1章。
(2011 02/07)
第2章 「名前」の章
他人との関係性で成り立ち、同じ家族の兄弟ならば同じ名前であった多くの民族による「ペルソナージュ」から、古代ローマストア派の哲学における身体の発見で「ペルソナ」になり、さらに近代になって「かけがえのない」個人の名前になった、という。
(2011 02/11)
(「サヘルに暮らす」の名前のところ(6章)も参照)
第3章は神話分析について
一見すると神話に見えないような儀礼や慣用句(「これは古くから同じなんだ」など)や上の話につなげて言うと名前も?、神話分析が可能。「古くから同じ」に関していうと、その話者はそうは言いながらも故意かそうでないかはともかく、自分で前のバージョンとは違うものを作り上げていく。その変化を起こしていく土台を先の慣用句は用意しているのではないか?と。
一方、現代イスラム社会では、そういった「昔と同じ」ものに疑念を感じいわゆる「原理主義」のような動きになったのでは?という指摘もあった。
(2011 02/20)
第7章に飛び読み 言葉の起源?
ここはレヴィ=ストロースというより、デリダかな?言葉の起源が呪術的な刻まれた文字だったのではないか、という指摘は面白い(けどどうかな?ってか、起源までは言ってない?)「音声認識中心主義を疑え」ということらしい、けど、なんかなんでもかんでも「西洋的考えは×」というのは、その逆の言説と同じなんじゃないかな?と引っかかる。
呪術がエライという言説には警戒を持ってしまう。
でも、ここでは冒頭だけで述べられている「言語(特に文字)には権力作用があるのでは?」という、レヴィ=ストロース自身の考え方も知りたい。
(2011 02/27)
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