「『罪と罰』を読まない」 岸本佐知子 吉田篤弘 三浦しをん 吉田浩美
文藝春秋
岸本佐知子や三浦しをんら4人の、ドストエフスキー「罪と罰」を読んだことのない文学者が、最初は読まないで…そしてだんだん人物紹介などの資料が渡されていく…「罪と罰」を語る企画。その後、実際に読んできて話し合う。
自分は読んだことはあるけど、もう20年以上前(新潮文庫版)…
(2015 12/23)
「罪と罰」読む?
今日の午後はこの本一気読み。
四人の推しキャラ?は一位スヴィドリガイロフ、二位カテリーナ。一位は予想通りだけど、カテリーナは夫マルメラードフの葬式の後で狂気のうちにフライパンを町中で鳴らしながら歩いてその後絶命するという「南米文学(マルケスなど)を思い起こさせる」という。
スヴィドリガイロフは本当に妻を殺したのか?彼に関しては、存在が超実在的でラスコリーニコフのネガの存在なのではという指摘。
ラスコリーニコフは「中二病のいきなり帰るマン」、その唯一の友人ラズミーヒンは「修造くん」とのこと(笑)。
この本の中でも出てきた「誰の視点でこの小説を書きなおすか?」という話題は、スヴィドリガイロフではなんか厳しそうなので、やはり意外性のルージン(ラスコリーニコフの妹ドゥーニャが資金目当てに嫁ごうとする、ドケチで小人物。ドゥーニャに断られると、嫌がらせのため彼女に罪を着せようとまでする)辺りが面白そうかと。あとはリザヴェータが35歳の設定というのは驚いた。全然若い!
「読みは読む前から始まっている」とは結びの三浦しをんの言葉。
(2017 09/10)
このあと、自分も「罪と罰」を再読して、いろいろ楽しむ…小説編に続く…