「現代アラブ混迷史 ねじれの構造を読む」 水谷周
平凡社新書 平凡社
アラブ史はいわゆる「アラブの春」後どうなっているのかちょっと頭に入れたかった。これとともに本棚の脇コーナーに置いてあった宮島喬氏の「ヨーロッパ多と一」(とかいう書名の)も気になったのだが。
(2017 07/09)
読み終わったので要点だけ。
アラブ社会におけるイスラームは政治的場面、道徳・倫理的場面・信仰場面の3つの段階を縦横に動く存在という。そこを特に日本のアラブ、イスラーム報道は見逃しているという。
また、アラブ政治の「維新」はウラマー(スンナ派イスラームの場合アズハル)の意識変革なくしてはありえない。彼らと欧米の知識人との交流でエジプト憲法草案作成など新たな動きがやっと出てきたところ。日本も独自な視点でアラブにコミットできるのでは、と水谷氏は言う。
そんな著者水谷氏は、平凡社新書の他の著作(「イスラームの善と悪」だったかな)の他、あの国書刊行会でイスラームシリーズの監修もしている。
(2017 07/23)