「フォークナー アメリカ文学、現代の神話」 大橋健三郎
中公新書 中央公論新社
(電子書籍版なので、引用箇所はここでは位置数字)
フォークナーの曽祖父から書き始めて、サートリス家やコンプソン家などの曽祖父、祖父は実業家としても生きる力があったのに、父の代はアルコール依存症などで家風は衰退していく。初期のフォークナー作品ではそれを反映してか、父の代の印象が薄いのだけれど、「響きと怒り」のミスター・コンプソンからはアンビバレンツなこの世代の複雑さを伺わせる人物の含みになっている。
その他、小説家になる前のフォークナーの(もともとは本業にしたかった)画家としての絵は、なんだかロートレックとかの路線で、フォークナー=アメリカ南部だと思っていると不意打ちを食らう。また自作の詩などをミニ雑誌方式にまとめた詩集をお目当の女の子に送ったという逸話もある。
第3作目「サートリス」(もともとフォークナーが付けていた原題は全く違うもの)。ここでヨクナパトーファ郡が(明示されているわけではないのだけど)
(2018 03/13)
とりあえず読了。
(2018 03/20)
「フォークナー アメリカ文学、現代の神話」の読了後のまとめ?
引用(というかマーカー付け)したところを。
「響きと怒り」(タイトルはマクベスから)の第3部ジェーソンの語り口について。
その「マクベス」第5部第5場より。
これはヨクナパトーファという言葉の意味。
「八月の光」のジョー・クリスマスから。
「標識塔」から。フォークナー自身も空軍経験をしたー飛行士の墜落事故を取材した作品。それを外側から見る「死者の世界から立ちあらわれたかのように」語られる新聞記者の描写から。
「アブサロム」から。サトペンがウォッシュに殺されるところ。
第二次世界大戦突入の頃のフォークナーの手紙より。
「墓地への侵入者」のギャヴィン・スティーブンズから。この作品の中で彼は南部人の課題について「演説」めいたことを言うが、その一方限界も持っていることを読者にも示している、という。
最後。
「寓話」の解説から。彼はフォークナー自身なのだが…
??
(2018 03/25)