見出し画像

一人でなくてもいい二十七日目

Day27  誰かに言われた大切な言葉


私は昔、推し方について悩んでいたことがある。

それは“誰を推すか”。

声優さんを好きになって最初は一人だけを長い間応援していた。
イベントにもライブにもその人に会いたくて行っていたし、グッズもその人のものばかり集めていた。

しかし、ある時から推しがどんどん増えていった。
最推し(1番応援している人)という存在があやふやとなったのだ。

だけど決して最初に好きになった人が嫌いになった訳でも興味がなくなったわけでもない。
ただ、推しが増えていくのだ。
恋多き乙女というと我ながら気持ち悪いが色んな人に心を奪われていたといえる。

しかも特に悩みの種となったのが推す期間である。

簡単に言うと日に日に推す人が変わるのだ。

さらに厄介なのが、その期間が数ヶ月から始まり、数日、数分と細かい時間で変化したりもする。

昨日まで1番だと言わんばかりの推しだったのに次の日には別の人になっている。
感覚としては自分の中での「旬だ!」と思う人が移り変わっているような。

恋多き乙女なんて言ってられないほどの変わりようだ。

そんな自分に戸惑っていた。
楽しいはずの推し活がなんだか後ろめたい気持ちになる。
私は一途な人間だと思っていたのに……。
誰かに裏切られたような悲しさがあった。何でもっとじっくり好きにならないのだろうかと。


でも、残念ながらそれでもその推し方は変わらなかった。
もともと己の感情に行動をコントロールされていると認識していたが完全に感情が前を走っている状態だ。
唯一助かったのは現在の推し(旬)以外の人たちのことを完全に忘れてはいなかったこと。
好きだし、興味も薄れてはいない。
ただ今じゃないだけ。

言い方はか、な、り悪いが推しをローテーションしているのだ。



改めて自分でこの文章を書いてて引いている。
正直今でもこんな自分がよく分からない。


でもそんな私を救い、一つの答えを出させてくれたのは友人の言葉である。

記憶力無さすぎて一言一句はきちんと言えないのだが、私が悩んでいることを軽く相談したときに言ってくれた言葉です。


「それって、ふみさんが日々変わってるからじゃない?」


少し語弊があるので補足すると、この変わってるとは“頭がおかしい”や“様子がおかしい”という意味ではないです。完全否定はできないけど(笑)


私が日々変化していて決していつも同じ自分ではない。それは考え方やそれこそ感情もそう。
食べ物みたいに好き嫌いが変わることもある。
食べたいもの、欲しいものは今の自分にとって本当の意味で栄養素になるもの。


確かに、と思った。

だって推しって私にとって心の栄養素といえるからだ。

そのときの自分がその推しを求めているし、魅力的に思っているのだと私は自分なりの答えを見つけた。


それからというもの思うがままに好きなとき、好きな推しを推して楽しんでいる。


大丈夫、推しは一人でなくてもいい。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集