第6回パテクルート世界選手権 アジア大会
去る10月21日、東京・広尾のフランス大使公邸にてパテクルート世界大会(フランス)に向けてのアジア予選が行われました。この大会は今年で5回目になりますが年々出場者も増え、レベルも上がってきています。日本シャルキュトリ協会が主催するこの大会には、初回から私も運営に深くかかわっているので、このコンクールのことをご紹介したいと思います。
9月28日に行われた第一次審査
今年の参加者は62名。昨年までは写真とルセット審査でしたが、今年からは選手に実際にパテを送ってもらい試食も含めての審査でした。62種類の力作ぞろいのパテクルートが並んだ様子は壮観でしたが、審査員にとってはかなりハードな審査となりました。少しづつとはいえこれだけの数の試食は相当体力がいります。厳正な審査の上、12名の選手が選ばれました。 審査員は2㎏は太ったかも。。。お疲れ様でした。
厳しい審査基準
パテクルートというのは、パイ生地を作って型の周りに敷き詰め、おいしいファルス(詰め物)やジュレ(ゼリー)を作り、断面の美しさを計算しながら型に詰めて焼き上げるといった、様々な技術が試される料理です。使われる材料は、鴨、豚肉、兎、ホロホロ鶏、猪、鹿、仔牛の胸腺など様々で、それぞれに違う味わいがあります。形や見た目は同じように見えても、味はそれぞれ個性があり、だからこそコンクールのテーマとして、とても興味深いのだと思います。審査においてはまずはパイ生地がしっかり焼けていること。そしてゼリーがしっかり入っていること。この2つは必須条件です。そして断面の美しさも重要ですが、一番重要なのは、もちろん味や香りや、食感ということになります。
決勝は僅差でした・・・みんな素晴らしい!!
毎回、審査発表の時は選手たちは緊張の面持ち。本当に研究を重ねて、何度もチャレンジしないとうまくできないのがパテクルートです。歴代の優勝者もかなりの苦労を重ねているだけに、優勝者の喜びようにはいつも感動させられます。審査員は日仏のシェフが8名ずつで総勢16名。もちろん決勝出場者を出している店やホテルの関係者は審査員から外されます。(私の店からも出場者がいるのでもちろん審査はしていません)
今年は・・・毎回挑戦して決勝の常連の選手が僅差の2位と1位。二人とも顔見知りの選手だけに、うれし泣きをするこの2人の姿を見て私ももらい泣き。コロナ禍の中、開催を決行し業界では久々のイベントでしたが、本当に開催してよかったと・・・心から感動しました。
私の店のスタッフは残念ながら6位に沈みましたが、次回こそは、昨年世界大会で優勝した塚本治シェフを目指して頑張ってほしいと願うばかりです。