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アルザス地方料理 番外編 ‟エガスト”

前回、サンドル(川スズキ)からの流れで、この料理コンクール写真をお見せしました。今回はアルザスで行われるコンクールについて書きますが、少し長くなりそうなので番外編ということで。若干地方料理からはずれた内容になりますが、、、

アルザス地方の首府、ストラスブールで2年に一度行われる料理や厨房機器などの大きな展示会「エガスト」。この期間中に、見習い料理人、シャルキュトリー、サンドウィッチ等、様々な料理コンクールが毎日行われます。その中で最高峰のコンクールが、ポール エーベルラン杯です。このコンクールの名前にもなっている、ポール エーベルランという偉大なシェフは、アルザスの名店「オーベルジュドリル」を永年3つ星に輝かせ続けました。このお店、エーベルラン一族が取り仕切る家族経営のお店で、創業は130年以上前、1952年からミシュランの星を守り続けているという長い歴史があります。料理人をとてもリスペクトするフランスのお国柄において、このシェフが人々の尊敬を集めるのは当然のことといえます。

そのシェフの名前を冠したこのコンクール、その最大の特徴は、料理人、メートルドテル(サービスマン)、ソムリエ、の3名がその技術や能力を競うレストランの総合力を競う大会であることでしょう。午前中からメートルドテル(以下メートル)とソムリエは筆記試験が始まります。メートルにはサービスマンが知るべき一般的な教養やプロトコル(席次)、アルザスに関する問題などが出題され、ソムリエには、アルザスワインを中心に飲料の全般的な問題が出されます。

そして午後からは実技となりますがこれがとっても過酷。料理人は2時間半かけて、料理学校の学生一名と共に、課題に沿った料理を仕上げます。この時の課題が前回の最後に出てきたサンドル(川スズキ)。これをアンチエ(丸ごと)調理し、そこに手打ち麺を使った(ヌイユ)を添えるというもの。ここには、アルザスの地方料理の知識をベースにして、いかに昇華させるかという、料理人の発想やテクニックも試されています。もちろん手を加えたものはなくすべて一からの調理です。メートルは清掃、活花に始まるテーブルセッティングから始まり、8名からなる審査員をレストランにお迎えしたという体で、意地悪な質問が浴びせかけられます。これ勿論仏語ベース。語学力を試すために最後にお決まりの問題は、「私、仏語が話せないんで英語で説明お願いします」。ソムリエは通常のソムリエコンクール並みの内容でテイスティングは勿論、様々なシチュエーションでのサービス技術も試されます。そして料理が完成したら3人で協力しながらできるだけ料理を冷まさないように、8人分の料理をデクパージュ(取分け)してサービスします。ここでまた料理に対する質問やコメントが飛んできます。

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また審査員の顔ぶれが凄く、ワールドクラスの有名人ばかり。8名の内訳はシェフ2名、メートルドテル2名、ソムリエ2名、料理評論家2名。特設スタンドが設置され、筆記試験以外はすべて観客の前での公開審査。メディアも多くスクリーンには質問に答えられず、苦悩する姿がでかでかと映されています。ここまでくると、出場者にとってはほとんどイジメです(笑)

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もう気付かれた方もいるかと思いますが、この日本人のチーム、実は私たちのチームです!!なんと2018年のこの大会に出場したのです!!出場4チームの内訳はフランスから2チーム、カナダから1チーム、日本から1チーム。日本ではあまり知られていないコンクールですが、フランスからは、”フラコンフドセル”という3つ星の有名店も出場しており、前回の優勝は名店 ”ピラミッド”。こんな中、うちのチームは見事準優勝!!しかも料理人は私の弟で、日本からの応援ツアーにご参加の皆様やストラスブールの領事館関係者の方々と共に、ほんとに感動した一日でした。

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今回は番外編ということで若干脇道にそれましたが、次回は地方料理の本題に戻りたいと思います。 




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