「ポツンと一軒家」と「十便十宜」(じゅうべんじゅうぎ)ー与謝蕪村展からー
昨日、府中市美術館『春の江戸絵画まつり 与謝蕪村 「ぎこちない」を芸術にした画家』展を観てきた。
与謝蕪村は「俳人」のイメージが、大きかった。
春の海 終日のたりのたり哉
菜の花や月は東に日は西に
この二句が、特に好き。
企画展に足を運んでみて、「句も絵も一流」という人物であったということが、よく分かったのだった。
絵で特にいいな、と感じたのは、蘇鉄図屏風。香川県丸亀市の妙法寺で襖絵として描かれたもの。蘇鉄の葉ののびやかさと迫力、余白の大胆な使い方が、とてもいい。
他にも、自筆の絵と自作の句を組み合わせた「自画賛」など、みどころの多い中で、
「!」となったのが、国宝指定されている「十宜帖」。所蔵は「川端康成記念会」となっている。川端康成は、家を買うのを諦めて収集したものらしい。
「十宜とは何?」と調べてみると、「十の宜(よいこと)」。
「十便」は、「十の便(便利なこと)」という意味だそう。
十便十宜』(じゅうべんじゅうぎ)は、清の劇作家李漁(李笠翁)が、別荘伊園での生活をうたった詩『十便十二宜詩』のうちの十便十宜(2つの宜の詩は見つかっていない)のこと。『十便十二宜詩』は、草蘆を山麓にむすんで、門をとじて閑居したところ、客の訪問を受け、静は静であろうが、不便なことが多いであろうといったのに対して、便(便利なこと)と宜(よいこと)の詩をつくってこたえたというもの。これに基づいて1771年に池大雅が「十便帖」、与謝蕪村が「十宜帖」を描き、合作した画帖が「十便十宜帖」である。慣用的に「十便十宜図」とも。(『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用)
■十便の内容
耕便(こうべん)
汲便(きゅうべん)
浣濯便(かんたくべん)
灌園便(かんえんべん)
釣便(ちょうべん)
吟便(ぎんべん)
課農便(かのうべん)
樵便(しょうべん)
防夜便(ぼうやべん)
眺便(ちょうべん)
田を耕すに、水を汲むに、洗濯をするに、畑に水をやるに、釣りをするに、詩を吟ずるに、農を課するに、樵をする(木を切る)に、夜のしたくをするに、眺めるに便な生活である
■十宜の内容
宜春(ぎしゅん)
宜夏(ぎか)
宜秋(ぎしゅう)
宜冬(ぎとう)
宜暁(ぎぎょう)
宜晩(ぎばん)
宜晴(ぎせい)
宜風(ぎふう)
宜陰(ぎいん)
宜雨(ぎう)
(以上、『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用)
この「十便十宜」の内容を調べてみて、
「ああ、これはまさに、『ポツンと一軒家』の暮らしだなあ・・・。」などと、考えたのだった。
昨年の春休みに「ポツンと一軒家」を初めて視聴してから、この番組だけは、家族そろって、リアルタイムで見ている。
人里離れた場所での暮らしぶり、田畑や森の営み、土地の歴史、人物のドラマ、建物の工夫など、いろいろな切り口から、興味深い。
「ポツンと一軒家」の暮らしぶりに、自分がどこか、あこがれの気持ちを頂く理由を集約すると、
「十便十宜」が雄弁に語っているのではないかな。
そんなことを、思ったのだった。
自分でスタンプを押す、オリジナルミニ屏風♫
#1日6000歩 昨日4/18の歩数 8,025歩(+2,025歩)✨
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