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『9割の社会問題はビジネスで解決できる』著:田口一成 を読んで感じたこと

課題解決をビジネスにすることの大切さ


以前から私の理想とする「まちづくり」はボランティア精神や公助ありきではなく、地域住民がビジネスを通してWin-Winの関係を築くことで住みやすい街にすることだと書いてきましたが、その理由とメリットがこの本にすべて書かれています。

私は著者の田口さんのような大きくて強い思想やビジョンを持っている訳ではありませんが、根っこの捉え方はほとんど変わらないと思っています。「利益だけを追求せずに利益をだす」ことで地域を活性化したり課題を解決する。それを世界規模で実践して成功させている田口さんの書かれた「9割の社会問題はビジネスで解決できる」は大変刺激になりました。

課題の根っこを考えるために必要な聞き取り


人が10人いれば10通りの考えがあるように、目の前の課題に対して思う事は人それぞれだと思います。ただ10人が課題に感じるという共通認識があるのであれば、聞き取りを重ねて根本的な部分にアプローチすることでより多くの人の不満や不便を取り除くことに近付くはずです。

田口さんが新しいビジネスに着手する際はこの「聞き取り」を非常に大切にされているそうで、それをないがしろにすると課題解決に対しても売れる商品を作ることに関しても中途半端になってしまうそうです。

「まちづくり」においても聞き取りは非常に大事だと思います。よくある例として、街の歴史的な景観を残すのか近代的な作りにしてひたすら便利さや速さを追求するのかがありますよね。

こういう場合どちらかが100:0で正しいとか、間違っているという課題ではないと思います。歴史的な景観を残してもあまりにもアクセスが悪くて観光資源として問題点が多い可能性もありますし、景観を残さず便利で大きな道路を通してもただの通り道として終わってしまう可能性もあるわけです。

大きく環境を変えようという時に丁寧な説明や聞き取りを怠ると、住民に理解されず協力を得られないという話はニュースでもよく耳にします。
事業規模の大きさには差がありますが、課題を解決するビジネスを始める時は自分の思いだけでなく聞き取りも重要だということを改めて感じました。

「いつか独立したい」と思っている人はきっと勇気がもらえる


田口さんは社会起業家(社会問題を解決するビジネスを起す人)を増やすために活動されていて、本の内容も社会起業家に関することではあるのですが、社会起業家でなくてもいずれ起業したいという人はこの本に勇気をもらえると思います。

リスクに対する考え方やリスクの取り方、ビジネスの軸になる部分のことなどはすべての起業家が参考になりますし、失敗を恐れない精神や失敗してもそこですべてを諦めないことの大切さは起業を考えている人やそれに近いことを始めようとする人の背中を押してくれるはずです。

まとめ


私は「まちづくり」という1つの軸を手に入れたのですが、そうするとどんな本を読んでいても「これってまちづくりでも同じだな」とか「こういうアイデアを生かしたまちづくりも楽しそうだな」とちょっと注意が散漫になってしまいます。

それはそれでワクワクできて楽しいですが、本の細かい内容はこぼれがちです。


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