2023年を振り返って ~ふむふむの空想お茶会~
紅茶好きが高じて約20年前に取得したティーインストラクターの資格。
1年間ほぼ毎週梅田の会場に通い、錚々たる著名な講師による直々の講義で、紅茶の歴史や産地、味、香り、マナーなどさまざまな知識を身に着けました。器用で上品な受講生の中、緊張しやすく発表では声を震わせ、重いポットの扱いに難航するなどしていた私は、正直言って劣等生だったと思います。実技試験では手も声も震えが止まらない中、それでも決してあきらめず最後までやり遂げ、なんとか時間内におさめられたのを覚えています。最終的に試験に合格した時には、「よく頑張りましたね」と講師の方が涙ぐみながら声をかけてくださって、感激したのを忘れられません。
引き続きさらに1年勉強を続け、知識は蓄えられたかと思いますが、妊娠をきっかけに、ゆっくりお茶を楽しむ生活からは離れてしまいました。同期のレッスン開催やイベント企画の知らせを聞くと、華々しい活躍をうらやましく思ったり、何もできていない自分に引け目を感じたりする日々が続いたのも事実です。
そんな経緯もあり、家族や友人に紅茶をふるまうことはできても、今更人に教えるなんてできないだろうと思い込んでいました。今までは妄想や空想でしかなかった、お茶会や紅茶のレッスン。勝手に難しく考えすぎていたのかもしれません。
それまでにも背中を押してくれた方が何人もいたというのに、なかなか前に進めなかったのはタイミングではなかったからなのかも。
教えるなんて大層なことを考えず、一緒に楽しみましょうという気持ちでなら私にもできるのでは?と気づいたのが今年の2月。
紅茶を美味しく飲んで、楽しい時間を共に過ごしましょう
そんな気持ちから『ふむふむの空想お茶会』が実現しました。これを機に、一度だけでなく、なんと複数回開催することができました。
紅茶が好き、まったく知らないから知識として興味があった、お茶会という名前に惹かれたなど、さまざまな理由から参加してくださった方々のおかげです。これほどまでに紅茶をふるまった経験は今までにありませんでした。来年はさらに多くの方に美味しい紅茶を味わっていただきたい。頭にぷかぷか浮かんでくるお茶会のアイディアを形にできるよう、この冬のお休みを活かしていきたいと考えています。
では2023年 ふむふむの空想お茶会を振り返っていきます。
3月 濃厚なミルクたっぷりロイヤルミルクティーの淹れ方(2回)
このnoteをきっかけに、ダンテルさんがかけてくださった言葉
この一言が私の背中を押し、オンラインでやってみようと思わせてくれたのでした。
5月 紅茶の美味しい淹れ方
中洲川端駅近くの冷泉荘にあるスペース『ユウアヒア』で、めぐさんが主宰する『ポエジオじかん』に参加していた時
ユウアヒアの原口さんから「ここで紅茶のイベントを企画してみては?」と声をかけていただきました。その後、右も左もわからない中、あれこれ調べながら初めて企画書を作ったのも良い経験です。打合せ時には、紅茶を飲んでいただくのが一番伝わるだろうと思い、ティーポットと茶葉を持参して美味しい紅茶の淹れ方をアピールしたのでした。
初回にも拘らず、多くの方に集まっていただき、感激しました。たくさんの質問に答えながら、紅茶をふるまい、皆さんとお茶会を楽しんだ日が忘れられません。
6月 妄想お茶会
めぐさんとのコラボが始まったのも紅茶がきっかけです。詩と紅茶は親和性が高いのでは?ということから声をかけていただきました。
誰もが心の中に秘めている「こんなことしてみたいな」という想いを、アフタヌーンティーを楽しみながら口にして、紙に書き、木の形を模しながら壁に貼り付けていきました。
心の中にある間は妄想で終わってしまう事柄も、口に出したら叶うかもしれない。思わぬ視点からのアイディアやアドバイスが生まれるきっかけになり、一緒にやってみたいと言ってくれる人が現れるかもしれません。
そんな想いから開催した妄想お茶会。
私の妄想や空想は、びっくりするほど駆け足で形になっているのを感じています。
8月 アイスティーの美味しい淹れ方(2回)
台風のため延期になりましたが、無事別日で開催できたのが『美味しいアイスティーの淹れ方』
実は冷たいものは甘みを感じにくくなるため、砂糖や甘みを多めに使用しているのをご存じでしょうか。冷たいものを飲む機会が増える夏場、自分で甘さを調節できる、もしくは甘みを加えなくてもフルーツ本来の甘さだけで美味しく味わえるアイスティーを紹介しました。
・はちみつとミルクのアイスキャンブリックティー
・ティーベリーソーダ
参加者はお二人だけだったので、大きめのゴブレットのままたっぷりと飲んでいただき、とても喜ばれたのが印象的でした。
その後、大学時代の友人と近況報告をした際、紅茶イベントについて話したところ、「私たちにもやってほしい!」と声が上がり、オンラインでレッスンをおこなったところ、実習した3種類大きなゴブレット3杯分を飲み干していたので、驚きました。
すぐさま次の分を作って家族に飲ませると話す姿に、うれしい気持ちを隠し切れませんでした。美味しいものは顔をほころばせる、そんな反応を直接見られるのは本当に幸せです。
10月 文学フリマ福岡 詩馨
こちらも、めぐさんとのコラボ企画。
気分に合わせて詩と紅茶をセレクトしてみました。
「失恋したときのための詩と紅茶」「旅したいときのための詩と紅茶」「優しい気持ちになりたいときの詩と紅茶」などを用意しました。
紅茶の種類は24種類、ちょっと張り切ってセレクトし過ぎました。
全ての紅茶に味の説明や歴史背景などを書いたリーフレットをつけ、それぞれに適した淹れ方も載せています。
紅茶をイメージさせる白いエプロンを着て、初めての文学フリマに参加。
多くの方の手に渡った紅茶、良いタイミングで飲んでいただけたかな?と心を馳せています。
11月 ティータイムにお菓子とアートを添えて
文学フリマのほぼ一週間後に予定していたこちら。
私が体調を崩し、別日程で延期させていただいたのは本当に申し訳なく思っています。
こちらも、あれほど告知したと思っていたのに、なんとnoteを書いていない。
アートコレクターのきどきりんさんに声をかけていただき、コラボが決まりました。
「むくむくしたけもの」さんのアートを囲んで、自由に語り合うお茶会。
アートも紅茶も感じ方は人それぞれ。観た瞬間、味わった瞬間に受け取るものと、すこししてから気づいたもの どんな思いにも間違いはありません。 自分の見え方と人の視点、たくさんの違いを知るだけで、世界が広がっていく、そんなことを実感できる充実した時間でした。
むくむくしたけものさんのアートをイメージしたフランボワーズミルクティーなどをお出しして、私にとってもいろいろと冒険や挑戦が出来た会でした。
最後にはむくけもさんからのサプライズプレゼントもあり、皆さん喜ばれたご様子。
12月 アールグレイ飲み比べ
同じくこちらもnoteを書いていませんでした。
冷泉荘管理人さんが書いてくださった紹介文をこちらに載せています。
なんとなくウェルカムティーのような感じで、緑茶のアールグレイをサーブ。これは今から飲むのとはまったく違うので、と説明をしてから始まりました。最初にお茶を飲むと、普段よりも言葉が出てきやすいのかもしれません。
テイスティングカップを使い、同じ条件で4種のアールグレイを飲み比べたこの日。皆さん、それぞれ好みが分かれて楽しい。質問もたくさん出てきました。ブレンドやシングルオリジンの違い、ティーテイスターについて、産地で働く人たちが飲むお茶など、幅広い視野で紅茶と向き合う参加者の方々に敬意を払いながらのお茶会になりました。
12月 クリスマスプレゼント
12月は昼スナでアフタヌーンティー(略してティースナ)開催予定でしたが、諸事情により3月に延期されました。3月ならまた季節に合った紅茶でおもてなししたいと思い、準備していた紅茶たちをクリスマスプレゼントにしようと企画してみました。
でも、全然応募がありません。
クリスマスまでに到着してほしいと締切りを早く設定したからか、それとも奥ゆかしい方が多いからなのか、まったく応募がなく、寂しいので誰でもコメントしてくださいと催促してみました。
その後、あるオンラインイベントに参加し、近況と共にその旨を話したところ、皆さん手を挙げてくださって、ありがたき幸せ。
そうと決まったら、それぞれに合った紅茶を選びたい思いがむくむくと膨らんできて、早速プレゼントをお送りした次第です。
淹れたよー報告をたくさんいただき、紅茶たちも喜んでいると思います。ふむふむサンタもホクホクしております。
これが、今年の『ふむふむの空想お茶会』でした。
私も書いていてこんなにたくさん開催できたなんて信じられない思いです。
これも参加してくださった皆様、リツイートしてくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
これからも、気軽に楽しめる紅茶、日常を彩る紅茶を一緒に楽しんでいけたらと思っております。
2024年も『ふむふむの空想お茶会』をよろしくお願いいたします。