行きつけのレストランを見つけよう...Part One
森さんと知り合ったのは今から5年ほど前。自分が頻繁に顔を出すレストランで隣に座っていて、お互い1人だったので、お店のマネージャーが気を利かせて紹介してくれました。
それからは平均すると月イチくらいの頻度で一緒に食べ歩き、世間話をしながら情報や意見を交換をする仲になりました。森さんはFumamotoよりも一回り年下ながらも莫大な食べ歩き経験と、料理に関する知識をもっているので、話をしていて飽きることはありません。
自らのSNSで積極的に情報発信しているので、どのレストランに森さんが行ったのかは常に把握できます。なので森さんが食事をしたレストランで気になるところがあれば、「どうでしたか?」と質問できます。
そんな森さんの書き込みをフォローしていて気づいたのは、常に新しいレストランを見つけながらも、いくつかのレストランに関しては、かなりの頻度で何年も前からリピートしているということです。
どうしてリピートするのか…
そんな素朴な疑問を今回は森さんにぶつけてみたのですが、大きく分けて以下の3つの理由があるようです。
そのレストランに通うことで学べる何かがある。
才能ある料理人を見つけ、その才能が開花するのを目の当たりにできる。
シェフの人柄に触れられる。
何をレストランで学ぶのか?
日本人である以上、子供の頃からフランス料理に慣れ親しみ、自然と生活の一部になったという人は殆どいないはずです。
森さんはフランス料理に関して莫大な知識をもっているんですが、その背景には飽くなき好奇心があるとFumamotoは考えています。
一緒に食事をしながら話していると、森さんが料理の専門誌や、新しいレストランを紹介する雑誌に目を通していることがわかります。さらに「このレストランに行ってみませんか?」といった感じのメッセージには、その店を紹介する記事へのリンクが付いているので、ネット・サーフィンをしながら常に情報を収集していることがわかります。
しかしながら読むことで知識を深め、インターネットで情報を収集しても、実際に食べてみないと料理の味は分かりません。そしてレストランで食事をする喜びも実際に食事をしてみないと得られません。
森さんが大切にするレストランの1つに遠くに移転してしまった店があります。それでも通い続けるのは何故でしょうか?
このレストランで「フランス料理を食べることの楽しさに出会えたから」と森さんは説明してくれます。さらに「シェフからはフランス料理の奥深さを学んだ」とも言っています。
面白いことに、森さんは口下手らしく、このレストランに出会うまでは1人で静かに食事をしながら「料理の写真は隠れるように撮って」「シェフと話すだけでドキドキした」と何年も前のことを振り返ってくれます。このレストランで森さんが学んだ一番大切なことは「シェフと話す喜び」なのかもしれません。
才能を見出し
それが開花するのを
目の当たりにする
オープンしたばかりのレストランで食事をしたり、まだ若いシェフがつくる料理を味わったりした時に、何か良い感触を得ることがあります。それは「リピートすべき」という神様からの啓示かもしれません。
オーナー・シェフではなく、まだ若い雇われのシェフは必ずしも自分でつくりたい料理ではなく、そのレストランの経営者が求める料理をつくっていることが多々あります。
若い才能ある料理人と出会った時、森さんは料理を褒めながら、率直な感想を伝えます。さらに森さんが食べてみたい料理や、シェフが本当につくりたい料理に関して話をしながら、次回リピートする際の料理に関してコンセンサスのようなものを築いていきます。
これを繰り返すことで料理をつくる側は自信を深め、食べる側は前回よりも美味しい料理に出会えるようになります。更には、その料理人の存在や才能が徐々に認知され、ステップ・アップしていく姿を目の当たりにすることもあります。
そして森さんは必ず自分が応援しているシェフやレストランの話をしてくれるので、そこにFumamotoも食べに行って良い思いができるという波及効果もあります。
ここまで長々と書いて、さすがに疲れてきたので、3番目の「シェフの人柄に触れられる」というポイントに関しては続編で、レストランと良い関係になることの究極のメリットと一緒に書こうと思います。
P.S.
最初にも書いたように森さんに出会ったのは馴染みのレストランでした。そういった意味でも行きつけのレストランをもつというのは大切ですね。