【小説】私は空き家(豊中市築47年)4
4あれから一週間。
まさみさんが再び家にやって来た。今日は男性も一緒である。
男性はまさみさんのお兄さん、かずおさんだ。
かずおさんは久しぶりの実家を感慨深そうに見回し、換気のための窓開けを、まさみさんと一緒に行った。
程なくして、スーツ姿の2名がやって来た。一週間前と同じ2名だ。
2名とかずおさんが、お互いに挨拶を交わす。
「本日は遠いところをご足労いただき、ありがとうございます」
スーツ姿の2名が頭を下げるのに、かずおさんが穏やかに返す。
「いえ。私にとっても、大