リアルタイムじゃ見られない【#WBC観戦記】
お昼休憩の時間になって、一旦仕事を切り上げて休憩室に入った私は、慌てて回れ右をした。
しまった!
ちょうど侍JAPANの試合中だっ。
休憩室のテレビには、WBC2023の決勝戦が映し出されている。応援するため、祈るように立ち尽くしているメンバーもいた。
リアルタイムで試合を見ないと心に決めていた。
私が応援したチームは負ける。
そんなジンクスがあるからだ。
思えば、子どもの頃からそうだった。
まず、運動会で私のいるチームは勝った試しがない。全校生徒を赤組・白組とふたつに分けて、確率は5割なのに。
6年間一度もだ。
その後、中学・高校と進んでもそれは変わらなかった。
過去のWBCの試合もそう。
私が試合を見ると、相手チームが点を入れ、日本の選手がエラーをしてしまう。
かつての同僚にも「もう見ないでくれ」
と、懇願されたほどである。
これまで幾度となく、残念な結果に終わった瞬間に立ち会ってきた。
先日、久しぶりに会ったかつての上司に
「WBCに興味はないのか、野球はキライか!?」
と、めっちゃ言われた。
だが、そんなことはないのである。
ルールはわからないけど、スポーツ新聞は欠かさず目を通すし、なんなら選手の誰と誰が仲良くて、一緒にごはんを食べに行ったなんていう記事まで、くまなく読んでいるほどだ。
でも私は、試合そのものよりも、選手たちがどんな努力をしたとか、どんな風にメンタリティーを鍛えているとか、そんな枝葉の部分を知るのが好きなのだと思う。
ちなみに、私のジンクスの話をしたら…。
「何それ、そんなことないよ」
と、笑って否定してくれる人、
「私も、同じくです~」
と共感してくれる人、さまざまだった。
そして結果は、皆さんご存じのとおり。
しばらく時間をつぶして休憩室に戻ってきた頃には、大喜びしている人、もらい泣きしている人、何とも言えない高揚感に充ちていた。
私もようやくウチに帰り、緊急特番やニュースなどで観戦した。
ヒリヒリする試合で、勝っているとわかっていなければ、とても見ていられなかった。
ホントによかった。
最近いいニュースがない中で、希望の光になる勝利だ。
選手の皆さん、お疲れさまでした。感動をありがとうございます。
ファンの皆さんも、おめでとうございました。