「どうぶつの森」と「ポケモン」でメンタルヘルスを向上させる
Sarah Bowdidge, BBC News, 2024-10-19
ゲーマーたちのメンタルヘルス
コージーゲーム（Cosy games, 心地よいゲーム, ）は、人々がリラックスし、ストレスを解消するのに役立っている。
ダニーという女性は子供の頃、自分が「少し変わっている」と感じており、周囲に馴染めないことに悩んでいた。しかし、コージーゲームを見つけたことで救われたという。
「あつまれ どうぶつの森」や「アンパッキング」、「スターデューバレー」などのコージーゲームは、伝統的なゲームとは異なり、リラックスできる作業や可愛いキャラクター、プレイヤーに対するクリエイティブな自由度が特徴である。こうしたゲームは、多くのゲーマーにメンタルヘルスの向上をもたらすと報告されている。
コージーゲームは心に良い？
メンタルヘルス慈善団体「マインド・カムリ」によると、コージーゲームはメンタルヘルスの問題を抱える人々にとって、対処法のひとつとなり、マインドフルネス（心の平安を保つ）を実践する良い方法でもあるという。
5人の子供を持つダニー・ウィルズさん（32歳、ロンダ・カノン・タフ在住）は、現在不安症やうつ病に加え、注意欠陥多動性障害（ADHD）と診断されている。彼女は幼い頃からゲームを始め、「ポケモンレッド」や「ザ・シムズ」といった、コージーゲームの一例とされるロールプレイングゲームに親しんできた。彼女は、他の人々とオンラインで一緒にプレイし、「何時間も話し続けること」で、コミュニティの一体感を感じることができたという。
「本当に、これが私を支えてくれたと思います」と彼女は語る。「最悪の時期を乗り越える手助けになりました。」
コージーゲームとは？
コージーゲームは、戦闘や競争よりも、日常生活のルーチンやコミュニティの構築、謎解きに焦点を当てている。また、リラックスした環境でプレイすることが多く、プレイヤーはライトやブランケットを使って心地よい雰囲気を作り出す。
ゲーマーたちはTikTokやインスタグラムで、自分のコージーなゲーム環境やゲームルームをシェアしており、一部の動画は数百万回の再生回数を誇っている。新型コロナウイルスのパンデミック中には、セレブたちもコージーゲームに熱中している様子を投稿し、「あつまれ どうぶつの森」シリーズの新作が急速に人気を集めた。
コージーゲームは生きる手助けになる？
ニンテンドー南ウェールズは毎月無料のイベントを開催するファングループであり、メンバーたちは「あつまれ どうぶつの森」といったコージーゲームを楽しんでいる。このグループによれば、コージーゲームはメンバーにコミュニティの一体感を与え、時には重要な支えにもなっているという。
38歳のベン・エイリングさん（カーディフ在住）は統合失調症や他の精神的・身体的な健康問題を抱えている。彼は以前ホームレス生活を送っており、薬物依存に苦しんでいたが、ゲームを「逃避手段」として利用している。「ボタンを数分押すだけで、悩みを忘れることができる」と彼は語る。
また、彼は「メンタルヘルスに問題がある人には、ぜひこれをお勧めする。目を開けて指を動かすだけで、たくさんのものを得られるから」と話す。ほかのメンバーたちも、オンラインでプレイしている間にメンタルヘルスについて率直に話せることが多いと感じている。
コージーゲームの費用はどれくらい？
コージーゲームは、他のビデオゲームよりも比較的安価なものが多く、インディーゲーム開発者によって作られていることが多い。パソコンやノートパソコン、ニンテンドースイッチやXboxなどのゲーム機でもプレイが可能だ。
ゲーマーたちは、カラフルな照明、Bluetoothスピーカー、サウンドバーやノイズキャンセリングヘッドフォンを使ったり、コンソールやゲーム空間を自分の好きなゲームに合わせて装飾したりする。しかし、こうした装備一式は200ポンド（約3万円）から4,000ポンド（約60万円）と、幅広いコストがかかることがある。
ただし、多忙な母親のダニーさんにとっての「コージーな環境」はもっとシンプルなものである。彼女は「ブランケットを持って、ソファでくつろぐ。パートナーがコーヒーかホットチョコレート、あるいはお菓子を用意してくれる」と語る。「座ってヘッドセットをつけたら、何も心配せずに数時間リラックスできる。それが最高なのです」と述べた。
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