#6 贈与者は名乗ってはならない。
ふくソラボの一條です!
「世界は贈与でできている」という本を読みました。
その中で大変印象的な言葉がありました。
「贈与者は名乗ってはならない。」
タイトルの文言です。
本は以下のように続きます。
“名乗ってしまったら、お返しがきてしまいます。贈与はそれが贈与だと知られない場合に限り、正しく贈与となります。”
例えば年賀状の例をあげましょう。
あげる側の人は、お返しを期待しません。送りたいから送ります。
一方、受け取った側の人は、お返しをしなければならないと思うはずです。
これが贈与の致命的な欠陥です。純粋なギブのつもりでも、必然、送られた相手にお返しを求めてしまう構造になっているというのです。
じゃあ宛先不明で誰から送られたか分からないような年賀状を送れば良いのでしょうか?いやそれは受け取った側が気味悪がりますよね。
本書は、その点、以下のように言及しています。
“しかし、ずっと気づかれることのない贈与はそもそも贈与として存在しません。
だから、贈与はいつかどこかで「気づいてもらう」必要があります。あれは贈与だったと過去時制によって把握される贈与こそ、贈与の名にふさわしい。”
相手に気づかせるのではありません。相手に、気づいてもらう。これが贈与であると本書は主張しています。
なので、あくまで贈与行為は相手に委ねる。それこそがポイントであると。
贈与という言葉からどうしても「わたしが」あげる、というのが想起されると思いますが、それは違うと。
そして、以下のように力強く締めくくられます。
”だから、僕らは受取人としての想像力を発揮するしかない。“
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ギバーに求められることは、名乗らないこと。
受け取ったときには、それが贈与なのか交換なのか、想像してみること。**
日々のコミュニケーションを大切にしたいものです。
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