正解のない問題は難しい?
レッスン中に「正解のない問題」つまり、子ども自身が頭で考えたことを答える問題に取組むことがあります。割と簡単なものでは「絵の中の犬に好きな名前を付けてみよう」というようなものです。この問題を出すとすぐに「シロちゃん!」とか「ピカチュウ!」など名前が出る子どもも居れば、なかなか答えられない子どもも居ます。その場合は買っているペットの名前を聞いてみたり、会話から言葉を引き出そうと試みます。なかなか浮かばない・・・答えられないというお子さんの場合、
①正解のない問題に慣れていない
②間違えを恐れている
③単に思いつかない
このような傾向が見られます。正解がないということがある子ども達にとってはとても難しく感じられるようです。しかし、このようなイメージ、想像から言葉を引き出し、答える問題も繰り返しのレッスンで徐々に慣れていきます。はじめは自由に犬の名前を付けることが出来なかった子どもが、次第に2枚の絵を見て「お話作り」が出来るようになるのです。子ども達の作る想像のお話は聞いていてとても面白いです。一応、問題集には模範解答があるのですが、それとは全く異なる回答をするお子さんも居ます。もしも、このお子さんがお受験を希望される場合、模範解答を参考に指導する必要がありますが、そうでなければ大きく修正などをすることはありません。はじめに聞いた時には「???」よく分からない回答であっても、よくよく子どもの話を聞くとちゃんとそう答えた理由があるのです。「この問題は正解がないから、自由に答えてね」「間違えはないから、好きなお話を作ってみよう」そんな風に指示をしておきながら「絵と違うから駄目!」「つじつまが合わないから駄目!」「常識的に駄目!」これでは子どももやる気を失ってしまいます。このような想像力を問う問題は「答えることが楽しい」「考えることが面白い」この気持ちが不可欠です。そのためには大人の視点で「違う!」と頭ごなしに決め付けず、しっかり「理由」を聞く姿勢が大切です。
「答えのない問題」「自由に答える問題」が苦手なお子さんもやがて慣れていきますし、そのような問題も楽しめるようになります。楽しめるように子どもの回答に耳を傾け、導くのが私の役目です。『一緒に楽しむ』この気持ちが子ども達のやる気に繋がるのだと思います。また、はじめはつじつまの合わない話や思いつきでお話作りをしていたお子さんも、レッスンを繰り返すうちに「あれ?ちょっと待って!!この絵はよく見ると○○だから・・・」というようによく【観察】してから【考えて】答えることが出来るようになっていきます。
計算や文字など答えの決まった問題を確実に解くことも大切ですが、想像力や発想力を養うことはそれ以上に大事にしていきたいことです。想像力、発想力から生まれた世界を絵や言葉、体で表現することはとても大切です。当教室のおけいこでは「正解のない問題」にも楽しく取り組み、子ども達に「自分の頭や心で考える」「考えたことを言葉にして伝える」この力を育むレッスンを行っています。
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