「ことのは文芸教室」第二回【心を込めて手紙を書こう】

「ことのは文芸教室」第二回のテーマは【手紙】です。皆さんやお子さん達は最近、手紙を書いていますか？あるはいは心のこもった手紙を最後に受取ったのはいつでしょうか？メールやメッセージ、あるいは顔を見ながらお互いにコミュニケーションが図れる現在、手紙のやり取りは減少傾向にあります。これ自体は時代の流れ、便利さを考えると仕方ないことだと思います。しかし、手紙には書き手、そして、読み手の心を温かくしてくれる効果があります。もちろん、相手を傷つけるような心ない手紙もあるでしょうが・・・今日ここでは心のこもった手紙についてお話します。

【手紙友達はいますか？】私が子どもの頃は文通が流行っていて、学校の先生方の配慮で遠く離れた県外の子ども達と文通する機会がありました。私の文通相手は新潟県に住む同じ学年の女の子で、私よりも字が綺麗だったことを覚えています。また、新潟では冬の体育の時間にスキーをすることや給食のメニューが違うことを文通を通じて知り、その度に驚いたり、感動したものです。担任が変わりやがて私達の文通も自然と途切れてしまいましたが、あの頃、ポストに届く遠い町からの手紙は私をいつもわくわくさせてくれました。そして今、私には定期的（不定期的とも言えますが）に手紙を送り合う友人が２名居ます。高校時代に出会った二人の友人ですが、その後、大人になった今も時々、ふと手紙が書きたくなったらお互いに書く、そんな間柄です。ある日、ふとポストに届く手紙は私を元気にしてくれますし、心がパッと明るくなります。時を経ても変わらない彼女達の文字の感じや封筒や便箋の選び方に毎回、嬉しくなるのです。娘にもそんな友人が一人居て、時々届く手紙に彼女もいつも心が温かになるようです。娘とその友人は学校がバラバラ、住んでいる場所も離れている分、お互いの近況を知らせる手紙は新鮮味があるのでしょう。また、学校で嫌なことがあった時でも「私には離れているけど信頼できる友達が居る」このことは時に２人の少女の助けにもなっているようです。そのような心の支えとなる存在が居ること、ふとした時に筆をとって手紙を送る相手がいることはとても心強く、ありがたいことだと思います。

【久しぶりに手紙を書いてみませんか？】コロナの影響もあり、会いたい人に会えない、自宅で過ごす時間が増えた、そんな方も多いのでは？と思います。このような時だからこそ、手紙を書いてみませんか？相手は誰がいいでしょうか？今、一番はじめに「どうしているかな？」と笑顔が浮かんだ人に書いてみるのはどうでしょう？いきなり手紙では敷居が高いと思われた方は葉書でも構いません。あなたの心に居る、そして心を温かにしたい相手を想いながら手紙を書いてみましょう。

○小さなお子さんは絵手紙に挑戦してみましょう

○せっかくですので、便箋や封筒、葉書にもこだわりましょう

○必ずこちらの近況を書きましょう

手紙を書くときに一番大切なことは心を込めることです。文字を丁寧に書くことや言葉選びももちろん大切な要素ですが、心、魂を込めた手紙が一番、受取った方のハートに想いが届く手紙だと思います。

【こんな手紙も書いてみましょう】

○ファンレター・・・好きなアーティストやスポーツ選手、漫画家や小説家など大好きな人に応援、ありがとうの気持ちを言葉にして伝えてみましょう。ファンレターですと、お子さんも「書いてみようかな？」と取組んでくれるかもしれません。

○ラブレター・・・好きな人や想いを伝えたい人に愛を込めてラブレターを書いてみましょう。ただし、こちらは送る、送らないはご自身の判断で慎重に考えて下さいね・・・。書くのは自由です！！

○サンクスレター・・・「ありがとう」を伝えたい人にサンクスレターを書いてみましょう。家族や友人、はたまた日頃の生活を支えて下さる方でも構いません。お世話になったあの人、ありがとうの気持ちを伝えたいあの人に感謝の気持ちを綴ってみて下さい。親子一緒に書くのもおすすめです。

手紙・・・何だかいざ書こうと思うと筆が進まない、何を書いたらいいのか分からない・・・そのようなこともあるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。手紙に採点はありませんので、想いのままを自由に書くのが一番です。ただし【心を込める】このことだけは忘れないようにして下さい。手紙は不思議なもので、書いている時、そして読んでいる時に相手の方を想い、傍に感じることが出来ます。言葉に込められたメッセージ以上に手紙の存在そのものに意味があるような気がします。また、一度目に読んだ時ともう一度読んだ時、時を経て読み返した時では印象や受取る思いが変わることがある、それも手紙の良さの一つです。

これから徐々にじめじめとした季節に突入し気分も憂鬱になりがちです。そんな時には久しぶりに手紙を書いてみませんか。自分自身のそして相手の方の心をパッと明るく出来るそんな手紙が書けたら素敵だと思います。心のこもった手紙は世界に一つだけの宝物です。心を込めて書いた手紙・・・ある日、前触れもなくポストに届けられるその手紙はきっと、あなたの大切な人の心を温かくしてくれることでしょう。

私も久しぶりに大切な友人、大好きなあの人に手紙を書こうと思います。

それでは、どうぞ、次回もお楽しみに。

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