小さな小さなオナラ(昔話)
むかしむかし ある国にたいそう美しい娘がおりました。
それはそれは美しくて、娘がいるだけでその場は明るくなり和やかになります。
娘の姿を見る為に国中から人が集まり、市場がたつほどでした。
そんな噂はお殿様の耳にも届きました。
『そんな美しい娘がいるとな?』
このお殿様は文武に優れ、稀に見る名君と言われていました。
お殿様は町人に変装して娘に会いに行きました。
文武両道で勿論容姿もカッコいい。
娘も一目惚れしてしまいました。
二人でこっそり逢う毎日。
でもなかなか次に進みません。
ある日娘はお腹がきりきり張って堪りません。
【お殿様】が居ましたが、我慢出来ずおならをしてしまいました。
《ぷぴっ》
それを聴いたお殿様はたいそう喜ばれて、
『そなたがやっと私に心を許してくれた!』
『私の妻になって欲しい。』
お殿様と娘の祝言は、それはそれは国中で祝福されて盛大に執り行われ、
その国は永く永く繁栄することとなりました。
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