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心の傷と共に生きていくには

例えば、何かで傷ついた時。

心に、深い傷を負った時。

しばらくは、塞ぎ込むかもしれない。
でも、時間が経てば立ち直れる?


いや、傷は残るよ。


深い傷跡が、皮膚にずっと残るように。
心の傷も、時間が経っても、目立たなくなっても残り続ける。

傷を抱えたまま生きる。
それは人間の宿命なのかもしれない。

先日、金継ぎというものを知った。

金継ぎとは、割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法である。
Wikipedia

できてしまった傷を、放置するわけでもなく、無かったことにするわけでもなく、そのままの記憶を、美しい芸術に昇華するのだ。

これは、心の傷にも言えるみたい。

傷を、放置していたら苦しい。
無理やり無かったことにしたら、表面上はいいかもしれないが、心の奥底では傷が何倍にも膨れ上がっていることだろう。
そしていずれ膿となって外に流れ出るのだ。

傷を抱えたまま生きることは、苦痛でしかないのだろうか。

もし、金継ぎのように、心の傷も美しく昇華できるなら。

ついた傷を、ただ塞ぐのではなく、自分だけの魅力として受け入れることができたなら。

傷だらけでも、美しく幸せに生きることは可能なのかもしれない。

そして、もし、傷つける側になってしまったら。

傷つけてしまったけど、その人とこれからも一緒にいたいと願うなら。

傷を塞ぐことだけを考えるのではなく、傷がつく前より美しくなるように、誠意を持って金に代わるものを重ねていきたい。

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