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ぶれない蔵。樽平酒造さん
こんにちは、安井郁子です。
記事を読んでくださる方、応援してくださる方、いつもありがとうございます。
今回は、樽酒としてもお馴染みの山形県のお蔵、樽平酒造さんのご紹介です。
かたくななまでの信念に基づく酒造り
創業は元禄年間(1695年頃)。なんと約330年近くもの伝統を誇り、山形県置賜地方で昔ながらの佇まいを残すお蔵になります。
かたくななまでの信念の元、日本酒を造り続けています。
過去には、宮尾登美子原作のNHKドラマ、「蔵」のロケ地ににもなった、昔ながらの手作りの要素が満杯のお蔵です。
木甑で米を蒸し、麹米はむしろに広げ自然放冷。麹蓋、暖気樽など昔ながらの木製のものを使用する等、道具にもこだわります。
2008年以降は、本醸造の製造を辞め全量純米酒造りの蔵となりました。
全量麹蓋での麹造り
今日は、昔から扱っている弊社PBでもある
「特別純米酒 銀 住吉 (+7)」を改めてご紹介致します。
こちらに関しては、炭素濾過せず樽熟成をしてない、味わいのある辛口のお酒になります。
麹造りも伝承に基づき全量麹蓋でしっかりと造っております。
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旨味とキレのある味わい
黄みをおびた酒からは、炭素濾過をせずに造られた酒の熟成感もみてとれます。
酵母は協会7号なので、ナチュラルな香りなのですが、杉様の爽やかさ、熟成によるカラメル、ナッツ、スパイス等の複雑性が出てきます。練れた触感で、熟した幅のある味わい、重厚感があります。余韻も長いです。
日本酒度+7、酸度1.9~2.1で、冷酒ですと極辛口のきれっきれの味わいになりますが、少し温度が上がってくると、しっかりした味わいが出ますので、あまり冷やしすぎないほうが、このお酒の特徴がよく感じられます。
お米は、しっかり味がでるように、あえてササニシキを用いているそうです。
この時期お燗も美味しい住吉+7
常温から、人肌燗、ぬる燗、45℃~48℃位までのお燗が、旨味と酸味のバランスが取れ、この酒のしっかりした味わいの個性が最大限に表れ、かつ一体感が出てきます。お好みもあるとはいえ、あまり高温でのお燗は、ドライな味わいになっていきますので、そこまで高くない温度の方が良いでしょう。
でも、燗冷ましでもへこたれないのは、丁寧な造りによる酒質の強さからなんだなあ…と実感。
地元米沢牛を用いた肉料理、魚の照り焼きなどにも対応できる、豊醇な味わいです。
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住吉大社の欄干(らんかん)・御簾(みす)・鏡を表しています。
昔ながらに徹した造りや味わいは、時代を経て、現在では、逆に新しさを感じます。“濃醇な酒”、“酸の多い酒” が食中酒として受け入れられるようになった今こそ、再度新しい日本酒愛飲家に味わっていただきたい1本です。
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降り積もる雪が空気を清浄化してくれます