IWC( International Wine Challenge)の2020年SAKE部門メダルが発表されました!!
こんにちは、安井郁子です。
記事を読んでくださる方、応援してくださる方、いつもありがとうございます。
IWC「日本酒部門」とは
ロンドンで行われる世界最大のワインコンペティションIWC( International Wine Challenge)には、SAKE部門があり、そこでメダルを受賞することは、日本酒銘柄が世界的に認知されることを意味し、日本での流通現場においてもとても影響力があります。
IWCの「SAKE部門」が誕生したのは、2007年。
創設に尽力した元日本酒造青年協議会の佐浦弘一氏
ワインコンテストの中に同じ醸造酒である日本酒部門を創設されるのに、尽力されたのが、日本の若手蔵元らで組織される「日本酒造青年協議会」。
当時の「日本酒造青年協議会」の会長は、宮城県の塩釜にある「浦霞」の 佐浦弘一社長(現酒造組合中央会副会長)でした。
佐浦社長は、東日本大震災の際にも、強いリーダーシップを発揮されましたが、業界内でもとても信頼の厚い人物として知られています。
その佐浦社長を筆頭に当時の若手蔵元たちが”日本酒を世界のSAKEに”という熱い思いから、国内外の協力を得て、世界的なワインコンペティションの中に「SAKE部門」も創設されることができたのです。
現在も出品酒の取りまとめ並びに審査に関わるアドバイス等を「日本酒造青年協議会」が、行っております。
もう一人のキーパーソン平出淑恵氏
また、このコンクールにおいて、スタート時から中心的な役割でかかわってこられたのが、IWCアンバサダーの平出淑恵さん。
もともとは、JAL国際線客室乗務員時代より、社外活動として、「日本酒造青年協議会」の活動に参画し、IWCの日本酒部門創設を導きました。
IWC本部関係者と平出さんのご縁から始まり、そのお人柄とものすごい情熱が、関係者を動かし、良いコミュニケーションを構築できたからこそ、「SAKE部門」が設立できたのだと思います。古くから彼女を知っている私は、そばでずっと拝見する中で、平出さんのたぐいまれなパワーと才能に魅入ってきました。
日本酒をグローバルな視点でとらえ、日本酒を世界酒にするというも目標と共に、日本を観光立国にするという「SAKEから観光立国」という大きな夢に現在もチャレンジし続けておられます。
創設から十数年。IWCの「日本酒部門」はどんどん認知されて、コンクールの出品数も増えてきて、2019年には、約1500銘柄に。
今年は、コロナ禍のせいでしょうか? 少し出品数が減ったようですが、1401銘柄の中で競い合うことになりました。
2020年度のIWC「SAKE部門」審査
審査は、毎年4月に世界各国の優秀な審査員がロンドンに集まりブラインドで行われますが、今年は、コロナ禍で国から国への移動ができず、日本の審査員はもとより、各国の海外審査員の渡英が叶いませんでした。
なので、今年はイギリス在中のエキスパートだけによる審査となりました。
その審査も、11月にロンドンがロックダウンする直前ギリギリの中、なんとか無事、審査がすることができたそうです。
コロナ禍の中、たいへんな準備の元開催された、IWC2020年日本酒審査会の様子。(公式ページより)
2020年度のゴールドメダル受賞酒
そして、11月26日、日本では17時より、ゴールドメダルの発表がございました。
発表は、イベントディレクターを務めるクリス・アシュトン氏から。
コンクールの運営について、今年のゴールドメダルに関して、そして、これらのゴールド、シルバー、ブロンズのメダル受賞酒が、厳しい環境の中でも、日本酒市場を明るくしてくれることを望まれました。
今年のIWC2020のゴールドメダルは、「普通酒部門」「本醸造酒部門」「純米酒部門」「吟醸酒部門」「純米吟醸酒部門」「大吟醸酒部門」「純米大吟醸酒部門」「スパークリング部門」「古酒部門」の9つのカテゴリー合わせて、88個となりました。ゴールドの下には、シルバー、ブロンズと続きます。
今回、日本人審査員不在の中で行われましたが、もしそうでなかったら、結果は少し異なっていたのでしょうか? 審査委員長によると、受賞結果は、従来、出席されるべき審査員にも受け入れ、納得できるものだったとのことです。
発表の模様は以下からご覧いただけます。
IWCのメダルを獲得したお蔵元の皆様おめでとうございます。
弊社取り扱いのお蔵元も、IWCゴールドメダルを受賞されました。おめでとうございます。
竹葉 生酛純米奥能登
天狗舞 山廃仕込み純米酒
天狗舞 山廃純米大吟醸
阿櫻 大吟醸
酒一筋 純米吟醸 金麗
高砂 山廃純米吟醸
一生青春 別撰 大吟醸
澤姫 純米大吟醸 真・地酒宣言
純米大吟醸 ひだほまれ 天領
天の戸 貴譲酒 貴樽 浅舞酒造
古酒部門では、2015年ヴィンテージのこんなお酒も選ばれました。
天の戸さんの貴醸酒。美山錦55%、リンゴ酸を作る酵母を用い、シャルドネ樽で9カ月、瓶で2年熟成させた日本酒です。
今は亡き森谷杜氏、こちらの模様を、ご覧いただいているでしょうか?
森谷杜氏の試行錯誤された貴醸酒が、日本酒古酒部門で、ゴールドメダルに選ばれましたよ!! すでに4年前にも純米大吟醸部門のトップトロフィーを受賞されたお蔵ですから、そんなに驚かないでしょうか?
在りし日に「これ飲んでみて!」と、この貴譲酒の試みを語って頂けたことが思い出されます。
純米大吟醸をご贈答だけでなく、年末年始に家のみで楽しむつもり、という方が増えています。
百貨店等では、お歳暮やおせちの受注特設会場ができており年末感がでてきました。食品売り場等を色々回っておりますと、普段は、贈答にしか使わないようなちょっと値段のはるお菓子等も、ご自宅用に簡素化されたパッケージや小分けにしたものなど、今年は家で楽しめるような商品として、ご用意されているのを見かけます。
酒好きのお客様も、「旅行や外食を控える分、年末年始の家のみのお酒は、リッチにいきたい!」という声も聞かれます。どうやら、今年は少し奮発して、”純米大吟醸の家のみ”が増えそうです!
IWC受賞酒は人気も高く、入手可能かどうかはわかりませんが、栄誉に輝いた受賞酒が飲めたら、なおのこと嬉しいですね。
後日、トロフィー酒 及び チャンピオン酒発表!
今回選ばれたIWCゴールド酒の中から、より優れたものに「トロフィー」が与えられ、さらに9部門のトロフィーの中から、1銘柄だけが最高の栄誉として「チャンピオン・サケ」に選ばれます。
「トロフィー酒」発表は、12月3日(木)17時から。
「チャンピオン酒」発表は、12月7日(月)17時からになります。
ゴールド酒の中から、どの銘柄が選ばれるのか?
楽しみです💕