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黒人奴隷解放を率いた実在の女性 映画『ハリエット』ネタバレあり

映画『ハリエット』


ハリエットは黒人女性として初めて紙幣の顔に決まった人。

ハリエット


ハリエットは黒人女性として初めて紙幣の顔に決まった人。

彼女は奴隷黒人を奴隷州から自由州へと運ぶ「地下鉄道」の優秀な「車掌」で彼女によって800人近くが解放された、という凄い話。。

四コマ映画 ハリエット→ http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2535

2020年に黒人女性としては初めて紙幣の顔に決まった人物、ハリエット・タブマンさん。
(まだ発行はされていません)

勉強不足で(というかまったく知る機会がなかったように思いますが…)、ハリエットさんのことも、「地下鉄道」という言葉も知りませんでした。


奴隷を奴隷州から自由州へと運ぶ地下組織=地下鉄道

この映画の最初のニュースで
奴隷を奴隷州から自由州へと運ぶ地下組織=地下鉄道 というものがあったことを知りまして
しかも一番多くの「乗客」を運んだ「車掌」が黒人の女性だったってことにも興奮しまして
絶対見るーと期待していました。

地下鉄道と言っても、実際に地下に道があったわけではなく、見つからないように森とか川とか湖とか海とかを、逃亡経験のない黒人奴隷たちを引き連れながら安全に自由州へと引率していたということです。
100キロ以上の危険と隣り合わせの道なき道を、自由を求めて進んだんですね。

大体6000人の黒人奴隷が地下鉄道によって解放され、そのうち800人近くがハリエットが車掌を務めていた、とのことです。

(この6000人が全員100キロ歩いたってことではなく、家族のうちの一人が自由州へ逃げてそこで働いて金を貯めて、置いてきた家族を白人の主人から〝買う〟という形で家族全員が自由になるってことも多かったようです)

***

四コマ映画『ハリエット』 → http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2535

***

時は1800年代中頃から1900年初頭(19世紀中頃〜20世紀初頭)。


この映画が始まる時には奴隷解放のリンカーンもまだ生まれていません。

奴隷制時代の白人の悪魔描写は、様々な映画で観てきましたが今回もなかなか腹立ちます。
(『それでも夜は明ける』ほどの地獄描写はなかったですが)

***

悪魔の白人もそうなんですが、
この映画の面白いポイントが「逃亡奴隷黒人を捕獲する黒人」と「自由黒人」の存在です。

奴隷州で奴隷の子供として生まれたハリエット(最初の名前はミンディ)は生まれながらにして奴隷。

自由黒人の存在

自由州で生まれたマリーという黒人女性は生まれながらの「自由黒人」。
(まぁ自由黒人という言葉があること自体地獄なわけですが)

で、当時は今ほど情報伝達がないので、お互いのことが実はよくわかっていない。

ハリエットからすると同じ黒人なのに綺麗に着飾って都会を闊歩してテーブルでお菓子を食べるマリーたちの存在が信じられない。
自分たちの家族が住んでいた家には床もなく土の上にベッドを置いて寝ていたくらいなのに。

マリーは黒人女性専用のホテルを経営するやり手だし、逃亡奴隷の面倒をみる頼れる女性だけど、奴隷黒人の地獄は話で聞いただけ。

マリーのホテルに着いたハリエット に対して
マリー「まずはお風呂に入って。動物のような匂いよ」と顔をしかめる
ハリエット「恐怖の匂いを知らないのね」

このやりとりが面白い。

マリーも悪い人じゃないので「あ、やべ」とすぐに謝罪するのも可愛い。

***

逃亡奴隷の捕獲も黒人の仕事

南部に生きる自由黒人の職業の一つとして「逃亡奴隷の捕獲」があったんですね。

ウォルターという忍者みたいな若者がカッコよくも面白いわけですが
最初はハリエットを捕まえて白人に売ろうとするんだけど、
ハリエットを追ううちに彼女のカリスマに惹かれていってしまう。

白人 VS 黒人図式だけじゃないのが、この映画の面白さですね。

***

女性単独主演、しかも黒人の、となるとなかなかヒットが見込めないとのことで製作さえも危ぶまれたそうですが、
世界興行収入が5000万ドルとのことなので製作費からすると大ヒットではないでしょうか。

正直、、、映画の出来が、、、そんなに突出したものではないので、、この結果は十分かと。。

主演のシンシア・エリヴォは演技経験の豊富な人気歌手ですが
ちょっと今回の演技は、惜しいですね。。
(演技賞にはかなり絡んだようですが。。)

カリスマ性は物凄いんですけど、、なんかずっと基本同じ表情。。ずっとキョトーンとしてるんですよ。。怒りだけでない、ハリエットの多面性が見れたら映画に奥行きがあったかなと思います。

***

でも、話自体が強烈ですしハラハラドキドキもしますし、勉強にもなりますから、ぜひ。

ちなみに『若草物語』も南北戦争時代の話なので
この『ハリエット』の後半にはあの四姉妹が同じ東海岸で生きていた、と思うと感慨深いですね。


ネタバレ、というかすべては以下に。






曇天。次第に雨。農地。
芝生の上に仰向けになって倒れている女性。ミンディ(のちのハリエット)。

ミンディの夢。
家族奴隷として売られていってしまうシーン。

婚約者のジョンがミンディを起こす。
ミンディは睡眠障害で寝てしまっていた。

ジョン「何を手に入れたと思う?」

パティソン氏の遺言を確かめたという弁護士からの手紙。
ミンディが生まれた時ミンディの母は奴隷としての期限が切れていたので、ミンディは生まれながらにして自由黒人であったことを証明する手紙。

ジョンとミンディは喜びキスする。それを迎えるミンディの父。

舞台は1847年。メリーランド州。

***

ミンディたちが使える白人の家。ポーチに優雅に座る白人家族。主人(ブロデス)とその妻(エリザ)と息子(ギデオン)。

グリーン親父が黒人奴隷たちに向かって歌う。
「働け〜♪」
神父「奴隷たちよ、永遠に主人に従え」
グリーン神父も黒人。

神父の歌が終わり、奴隷たちは自分らの部屋に戻るが、ミンディの家族たちは残る。
「タテついて殴られたら今度こそ殺される!」

主人ブロデスに申し立てをするジョンたち。
ジョンはトンプソン家のプランテーションで働いている。ジョンは自由黒人。

ジョンはミンディを子供を作りたい。弁護士からの手紙もあるので、我々の子供は奴隷ではないと認めて欲しい、と主人に申し立てる。

手紙を破るブロデス。

****

森の中。
大木に向かってミンディ「私の主人は悪魔です」

それを聞いていた息子ギデオン。
「俺がチフスで倒れた時、お前がずっと看病してくれていた。目覚めて初めて見た顔がお前の黒い顔だった。恐怖でチフスの痛みが消えたよ。」
「弁護士だと?奴隷は豚と同じだ」
とミンディを殴る。


***

その夜、ブロデスが急死。
翌日、葬式。
白人たちは皆泣いている。黒人たちは目カラッカラ。
息子ギデオン、ミンディを睨む。

ギデオン「黒人女性を売ります。名前はミンディ」という張り紙を通りに貼る。

それを察知して逃げるミンディ。南部に売られたら今よりひどい生活が待っている。
ジョンが心配でやってきた。

ミンディ「ジョン、今すぐ逃げなきゃ」
ジョン「睡眠発作が出たら?」

馬に乗った白人たちがミンディを追う。

ミンディ、農地で働く家族たちに向けて歌を歌う。
「さようなら、朝が来たら会おう」と。
逃げるときの歌。

部屋で逃げる準備をするミンディ。
ナイフで床にハートマークを刻む。床じゃない。土。奴隷の部屋には床がない。

***

その夜。
ギデオンがジョンを捕まえる。
「止まれ、黒人野郎。ミンディはどこだ」と銃を向ける。
ギデオン、ジョンを銃で殴る。ジョンは片目を失明する。

その頃、ミンディはトンプソン家にいる父に辿り着く。

「父さん、奴らは私を南に売るつもりよ」
「グリーン牧師を訪ねろ」

黒人の顔の木彫りをミンディに持たせる。
「いつも一緒にいる。行きなさい」
「愛してる」
外は満天の星。
「愛してる」
父、涙。

***

グリーン牧師を訪ねる。真夜中。
「旅の無事を祈ってください。南へ売られたら家族離れ離れです」
「逃げてもウサギのように捕まる。字は読めるのか」
「いいえ。自由になりたい」
「恐怖心は敵だ。北極星を辿って走れ。遠くへ行け。数日歩くと、港町につく。そこにトーマス・ギャレットがいる。彼を頼れ。私から連絡しておく」

***

北極星に向かって走るミンディ。森の中。
眠ってしまうミンディ。
犬がミンディの匂いを追って走ってくる。ギデオンたちがミンディの近くまで迫る。
広い原っぱを走るミンディ。後ろにギデオンたち。

急流にかかる橋の真ん中。前にも後ろにも白人。追い詰められたミンディ。

「母さんたちが泣いてるぞ。飛び降りる気か?自殺は神への冒涜だ」

欄干に登るミンディ。

「わかった。お前は売らない。大人しくしていれば痛い目に合わせない。」

「自由か死か、よ」と飛び降りるミンディ。
激流に飲まれ、消える。

ギデオンたち、下流を捜索するも見つけられない。

***

翌朝、河岸に打ち上げられるミンディ。生きている。立ち上がる。
ポケットには父からもらった木彫り。


ある白人の農家。黒人たちが働いている。
そこの馬車に乗り込む。干し草に隠れる。
馬車は走る。
さらに朝方。

馬車が止まる。
馬車の御者(白人のおじさん)が「いるんだろ?ここでおりな」とミンディを下ろす。
ミンディに気付いていてここまで乗せてくれていた。

***

港で船頭をしている黒人男性に
「ギャレットという鍛冶職人は?」と尋ねる。
「4丁目にいる」

ギャレットを見つける。
「グリーン牧師を知っていますか?」
ギャレット「知ってる」
それを聞いて安心して気絶するミンディ。

翌朝、真っ白でフッカフカのベッドで目覚めるミンディ。こんなベッドで眠るなんて人生初。

ギャレットが馬車で森の手前まで送ってくれる。
「ペンシルバニアの奴隷反対教会を訪ねなさい。ここから40キロだ」

もうちょっと近いとこまで送ってくれても良さそうだけど、自由黒人証明書を持たないミンディは鉄道にも乗れないし、バレないようにするにはしょうがないか。。

「神と共に歩きます」と歩き始めるミンディ。
森を進んでく。

****

フィラデルフィアのペンシルバニア。
大きな町。都会。黒人もお洒落な服を着て堂々と歩いている。

果物売りの黒人男性に尋ねる。
「反奴隷協会は?」
「5丁目だ。ここには我々のようなものが多い。堂々としていれば目立たない。」と果物を一つくれる。

反奴隷協会に着く。協会長のウィリアム。黒人男性。ビシッとスーツを着てる。
ミンディを暖かく迎える。
ミンディの話を聞く。

「出身はメリーランド。主人のブロデスは死にました。今の主人は奥様のエリザです。」
「違う。君は自由だ。160キロ逃げ切った。奇跡だ。」

ミンディはハリエット・タブマンに改名する。
ハリエットは母の名前。タブマンはジョンの苗字。

「怪我は?」
「13歳の時に額を割られました。そのおかげで神の声が聞こえるようになりました」
ノートに、脳に後遺症ありと書くウィリアム。

***

黒人女性専用の宿へ連れられる。豪華な部屋。ドレスを着た黒人女性たち。
そこのオーナーであるマリー。

マリー「私は自由黒人としてここで育ったの。」
マリーは美人で素敵で自信に満ちている。

マリー「まずはお風呂に入って。動物の檻の中の匂いがする」
ハリエット「恐怖の匂いも逃げる匂いも知らないの?」
マリー「知らないわ。失礼を言ってごめんなさい」

風呂。
ハリエットの背中の傷。無知で打たれてミミズ腫れになっている背中を「何度見ても辛い…」ってな感じで目を背けるマリー。

マリー「恋人は」
ハリエット「いるわ」


***

翌朝から宿でメイドとして働くハリエット。
メイドのドレスが似合わない。
きれいな食器をセットする。きれいなベッドを整える。
ハリエットの流した涙が銀盤に落ちる。
先輩メイドがそれを見る。

***

一年後。
船頭に「私の家族は元気?」
船頭「元気だよ」
ハリエット「夫から伝言は?」
船頭「ないよ」


不穏な予感がして、ジョンと家族を助けに行くことを決意するミンディ。

ウィリアム「君が捕まったら、この反奴隷協会について吐くまで拷問されるぞ!」
ハリエット「南へ戻るわ。マリー、力になって」

マリー、ハリエットに自由黒人らしい振る舞い方を教える。
そして銃と銃の撃ち方を教える。

また、他人の自由黒人証明書を持たせてくれる。
「詳しく見られることはないわ。警戒されるのは南から北へ行く黒人。」

キャサリン・ディクソンという名の証明書。

***

鉄道に乗る。駅に着く。
駅には鎖に繋がれた黒人奴隷たち。
ドレスを着たハリエットを彼らがじっと見る。

保安官「証明書を見せろ。160cmと書いてあるが、165はあるだろ」
ハリエット「ヒールを履いてます」

***

ブロデスの家。
経営がうまくいっていない。親戚たちに金の無心の手紙を書く息子ギデオンと妻エリザ。

ギデオン「奴隷を売ろう」
エリザ「奴隷の数で家の格が決まるのよ」
ギデオン「奴隷を売って、残った奴隷を同じだけ働かせよう」
エリザ「奴隷を売るわ」

***

ハリエット、ジョンの家にたどり着く。
片目を失明しているジョン。

ハリエット「自由の地であなたが着るスーツを持ってきたわ」
ジョン「君は死んだものと…」
ハリエット「伝言は聞かなかった?」
ジョン「伝言を聞いた時にはもう。…結婚したんだ」
ハリエット「そうよ、私と」
ジョン「別の女性と。子供も生まれる。君は僕を残して消えた。川から落ちて死んだと。」
ハリエット「よくも他の女と!」
ジョン「ここは危険だ。愛してる。」
ハリエット「出て行って!」
ジョン「君が望むなら」

ジョン、自分の部屋から出ていく。
ハリエット泣く。

***

夜。森の中を歩くハリエット。
「なぜ私を生かす?」と神に祈る。
発作で倒れる。

そこに父。
父は目を布で覆っている。自ら見えないようにしている。

父は正直者なので娘を見たら、正直にそのことを話してしまう。
だから見ないようにして布で目を隠している。

父「弟たちが売られそうで納屋に隠れている」

3人の男と女性と赤ちゃんが納屋から出てくる。
弟たちとその妻とその赤ちゃん。


母はミンディが死んだと思って、その日から頭がおかしくなってしまった模様。部屋の中をフラフラと回遊している。
父と母はここに残る。
一人の妹を残して、きょうだいたちはハリエットに逃してもらうことに。
他の家族も合流。

父と抱き合う家族たち。父はここでも決して見ない。

父「全員が解放されるまで見張っているよ。誰の姿も見てないからな!」


***

牧師を訪ねる。
ミンディを見えて驚く牧師。
「君か。戻ったと聞いて耳を疑ったよ」

***

翌朝。
エリザ「2000ドルよ5人もどれが逃げたわ!」

一人のこった妹レイチェルが詰問される。
「何も知りません!」
ギデオンがレイチェルの首を絞める。

レイチェルの幼い子供が恐怖の顔で見ている。

ギデオン「黒人の子供を二人売れ!」
レイチェル「…ミンディーです!」

***

逃げる奴隷たちを追う白人グループ。
中に黒人のウォルターと大男のロン。

「男3人の女ひとりと赤ん坊だ。先導する女もだ」


***

森の中を逃げるハリエットたち。
白人グループがハリエットたちを見つける。

「追い立てられてこっちへ逃げるはず!ハサミうちだ!」

この先に進むと挟み撃ちに遭う!っていうところでハリエットが発作。
止まっています。

「神と話している!」
ハリエット「危ないわ!前は進まない」

横に逸れて、川を渡ることを決意。

「溺れるぞ!」と嫌がる仲間たち。

ハリエット彼らに銃を向ける
「自由か死よ。」

ハリエットが川に入っていく。
水深はちょうど首くらいまでで、水流も穏やか。ハリエットスイスイ進む。
仲間たちも心を打たれて、後をスイスイ進む。
全員渡きった。

それを木の上から見ているウォルター。心を打たれている。


****


ウォルター、白人たちの元へ行く。
ウォルター「見失った」
白人たちに殴られる。「役立たずめ!」


***

自信を持ったハリエット「私はハリエット。自由になった私の名前よ。あなたたちのリーダーよ。」

***

反奴隷協会にたどり着く。宿でご馳走を貪り食う。

マリーがハリエットの背中を流す。
「新しい妻と子供を作ったって…」
「あなたは今まで見たどんな男より強いわ。神に愛されている女に男が必要?」
「髪はたわしを夫を迎えに行かせた。でもそれはきっかけに過ぎなかった」

***

ウィリアムがハリエットをある部屋へ連れていく。
黒人地下鉄道世話人たちが集まる場所。黒人も白人もいる。

黒板に
車掌 ハリエット
乗客 9人
死亡 0人
とウィリアムが書く。

みんな拍手。

***

車掌は奴隷が働いている畑に向かって、林から歌う。
「逃げる時が来た〜」みたいな歌詞。
その歌に気づいて、みんなササっと準備をして、車掌に連れられて森の中を逃げる。

奴隷たちには靴が配られる。靴なんて!嬉しい!とみんな喜んで履く。


冒頭で助けてくれた馬車の白人おじさんが匿ってくれる。
そして大きな箱に入れられて、船に乗せられ、フィラデルフィアにつく。

ハリエットは何人も何人も逃す。

「私はモーゼよ」


****

妹レイチェルを訪ねるハリエット。
抱き合う二人。

ハリエット「逃げるわよ」
レイチェル「子供と引き離されたの。どこにいるかもわからない。私を無理やり連れていくなら大声を出すわ」

レイチェルを呼ぶエリザの声。

「全員逃げられるわけじゃないの」
レイチェルはここに残ることに。

****


しょんぼり帰るハリエットの後ろに追跡者ウォルター。

ウォルター「君は神と話せる。俺も神と話したい」
ハリエットを追う白人から、ウォルターはハリエットを逃してくれる。


***

「モーゼはハリエットらしい。ミンディのことだ!」

***

逃亡奴隷法が可決されてしまった。
南部から北部へ逃げた奴隷は誰でもすぐに逮捕されてしまう。
どの州でも奴隷狩りが合法化してしまった。

自由黒人の身も危険にさらされる。フィラデルフィア混乱。

***

追跡者の黒人大男ロンがマリーを襲う。
「ハリエットはどこだ」
「彼女には神の使命があるのよ」

マリーはハリエットの所在を言わない。何度も殴られる。
それを陰から見ているハリエット。

マリーはハリエットが陰から見ていることに気づきつつも、助けに来ないように
「彼女は賢いからここには現れない。使命のために」。

ロンが最後の一発マリーの顔を殴って部屋から出ていく。
マリーに近寄るハリエット。
マリー死亡。


****

港。
ハリエットは船に乗る。
そこにウィリアム。
ハリエット「マリーが死んだ」とウィリアムに告げる。
ショックを受けるウィリアム。

船はカナダへ。

****


カナダのどこかの家庭でチェリーパイを作るハリエット。
直後、発作。悪い知らせが来る兆候。

レイチェルの訃報が届く。

****

ニューヨークでレイチェルの葬式。
その後、白人の上院議員の家でみんな集まる。

自由黒人たちが熱く話し合っている。
「逃亡奴隷法を撤廃しよう!」
「奴隷黒人をカナダまで逃亡を手伝うのはもう無理だ!」
「戦争だ!」

ハリエット「遠いから諦めるの?
あなたたちは生まれながらに自由を知ってる。
働く意味も知らずに働かされて、初潮を迎える前に犯される。
できるだけの多くの奴隷を自由まで運ぶわ!
奴隷制度という悪魔が消えるまで!」

みんな納得。


****

父と母も逃す。

ハリエット、母の口を塞ぐ。
母びっくり。
ハリエット「手を離すけど、声を出さないでね。」
手を離すと母は大声を出して娘の登場に喜ぶ。
「私が奴隷泥棒のモーゼよ」


****

エリザとギデオンが他の白人たちに詰め寄られている。
「あんたのとこの奴隷娘がモーゼだそうだ。俺たちはあんたらのせいで損害を受けた。賠償してもらおう!」
エリザ「私も被害者よ!」
白人たち「ハリエットたちを捕まえよう!」


***

ハリエットの家族たちは森を抜け、小さな船に乗る。船頭はウォルター。
後ろには追跡者たち。


ハリエットは船に乗らない。
白人たちの囮になる。
ギデオンとロンを船から離れた場所に誘う。

ロンがハリエットを撃とうとすると、ギデオンがロンの頭を撃つ。ロン即死。
「生け捕りだ」
白人についていたロンだったが、ギデオンにとっては奴隷と同じ黒人に過ぎなかった。

ハリエット、ギデオンに銃を向ける。
「馬から降りなさい。膝まづいて」

「行儀の悪い女だ。お前も俺が好きなんだろ」

「私は所有されないわ。誰にも所有されない。自由か死か。どちらかを手に入れる
あんたの周りでたくさんの若い奴隷が死んだ。その声が聞こえる?人を所有するのは神は望んでいないわ
私たちの時代がくす。
私の民は滅ぼされない。
私たちは自由だ。」

***


南北戦争開始 2年目。
サウスカロライナ州。

黒人部隊を率いるハリエット。
南部の奴隷たちを逃亡させる。

***

ハリエットは91歳で亡くなる。
最後の言葉は「みんなの居場所は用意するわ」

70人以上の奴隷を救ったハリエット 。
南北戦争中には750人を。
1913年永眠。


終わり。


四コマ映画『ハリエット』 → http://4koma-eiga.jp/fourcell2/entry_detail.htm?id=2535

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