ロサンゼルス旅行記 -サンタモニカこんな感じか-
ロサンゼルスを訪れる。今回はいわゆる"ど定番"と言われるような場所を周ってみることにした。ある夏の日の思い出を写真多めにざっと振り返ってみようと思う。
まず初めに向かったのはサンタモニカ。ロサンゼルス空港からも程近い海岸沿いの街。燦々(さんさん)と降り注ぐ太陽の光と美しいビーチを夢見ながらいざ目的地へ。
アボット・キニー・ブールバード (Abbot Kinney Boulevard)
ロサンゼルスはぼくが住んでいるシアトルから飛行機で大体3時間ぐらい。ぼくは前日の夜から街に入って海辺のホテルに泊まった。
朝。窓から外を眺めると残念ながら曇り模様。シアトルもそうなんだけど、アメリカ西海岸の街は午前中お天気が微妙でも14-15時くらいからウソみたいに晴れることがよくある。今回もそんな逆転に期待。
ホテルを出て最初の目的地へ向かう。てくてくと歩きながら。
このアボット・キニー・ブールバードは明るくて可愛らしいショップやレストラン・カフェなんかが並ぶ魅力的なストリート。
ただ………
うん、誰もいない。朝早く起きすぎてこの時間に来ても大体お店がやっていないし人もいない。旅をする度に同じミスをしている気がするぞ(笑)。
でもこの観光客がまだ誰もいないヒソヒソとした感じが結構好きだったりする。頭の中で半袖半パンにグラサンをかけた観光客が優雅にショッピングを楽しむ様子を想像する。
椰子の木がすっと立ち並び、穏やかに葉を揺らしている。ポップでカラフルなお店のデザインなんかを見るにつけ、「あ、想像してたロサンゼルスっぽさがあるじゃん」とちょっと嬉しくなる。
近くにおしゃれなカフェを見つけたので入ってみる。まあまあ人がいて混んでいた。ぼくはカフェラテを頼んで一息つく。
散歩を続ける。いよいよサンタモニカの有名どころ、ベニスビーチを目指す。だんだん景色も海っぽくなってくる。ワクワク。
海辺の近くまで来ると、お店の壁にコービー・ブライアントのイラストが描かれているのが目に入った。ロサンゼルスのバスケの神様と言えば彼の名前を挙げないわけにはいかない。ヘリコプター事故で13歳の娘さんとともに天国に行ってしまったコービー。絵の中のコービーは見たことのないような笑顔で思わずエモーショナルな気持ちになる。この街から彼への深いリスペクトが感じられてグッと胸が掴まれる。
ベニスビーチ (Venice Beach)
いよいよビーチに着いた。さて散歩を続けよう。
今日は7月4日。海沿いに並ぶバーからはブルース・スプリングスティーンの「Born in the U.S.A」が流れている。皆それぞれの形でこのアメリカ独立記念日を楽しんでいる様子が伺える。
しばらく歩いていると人だかりを見つけた。なんだかワーワー言いながら盛り上がってるじゃないか。
一体なんだろうと思って近寄ってみるとボディービルの大会が行われていた。特設会場にはたくさんの人が集まってキャーキャー言ってる。なかやまきんに君の姿を一瞬探してしまったがステージに立っている輩を前に目を疑った。
じじいだ!じじいしかいねーじゃねーか!
会場のアナウンスに耳を傾けて分かったこと。それは参加者が全員70歳以上のボディビル大会であるということだった。
じいさんたちはステージの上で渾身のポーズを決めている。70歳以上と言いながら、もうお迎え寸前みたいなじいさんもいるじゃないか。後期高齢者どころじゃない。歯を食いしばりながらポーズを決めると、不安な感じでぷるぷると身体が震えている。なによりもぜえぜえ言ってるのが気になる (笑)。
それでも観客は「じいさんセクシーだぞー!」とか声をかけながらみんな異様に盛り上がってる。観ているだけでハッピーになるイベントだった。
思う存分じいさんの鍛えられたボディーを眺めたところで散歩の続きへ。少し歩くとそこにはスケボーの練習場があった。
みんな半袖をパタパタなびかせながら風を切るようにして颯爽とコンクリートを滑る。いかにも西海岸って感じで。これでステューシー(Stussy)の服とか着てると完璧なのにな、とか思ったり思わなかったり。
海辺の散歩は続く。だんだんと時間が深まるに連れ、人の数も増えてきた。相変わらず空には雲がもくもくと横たわっているけど、砂浜には海水浴を楽しむ人も。
一通り歩いたところで一休み。海が見えるカフェに入る。
奥にはレコードとワインが並び、DJブースもある。がらんとした店内で1人若い女性が静かに本を読んでいる。アイスコーヒーがじんと身体を冷やす。結構歩いてきたな。
サンタモニカ・ピア (Santa Monica Pier)
お昼も回ったところでこの街で最も有名な場所に行ってみる。徐々に太陽が雲から顔を出してきたこともあって人の数も群と増えてきた。
砂浜をとぼとぼと歩いた先に見えてきた。サンタモニカの桟橋(ピア)には観覧車やジェットコースターの姿が見える。
ここは遊び場って感じ。子供連れの親子が楽しい休日を過ごせるような場所。小さな遊園地が隣接しており、大人も子供もワーワー言いながらはしゃいでいる。「ザ・観光地」という場所を想像していたけど、地元に住んでいる人も足を運んでいるような印象を受けた。
サンタモニカ、こんな感じか。海辺の街をさーっとひとしきり歩いたところで静かに感慨に耽る。美しく、それでいて元気がもらえる素敵な場所でした。
ベイクド・ポテト (The Baked Potato)
夜はサンタモニカを離れる。ロサンゼルスのここに行きたかったから。
その場所とはジャズ・クラブの「ベイクド・ポテト」。このロサンゼルスの北の方に位置する老舗ジャズ・クラブをずっと訪れたかった。
お店に着くとまず目に入るのがこのネオンの看板。最高だ。ロサンゼルスの歴史あるところはこういう感じであってほしいと個人的に思う。ぼくはこれを見てポール・トーマス・アンダーソン監督の映画を思い出す。「ブギー・ナイツ」とか。
店内はさほど広いわけではないし、ジャズ・クラブというよりは、地元のくたっとしたバーという様子。でも音が鳴ればすぐに分かる。ここが確かに艶のあるジャズの音が出るということが。
この日はマイルス・デイビスの「クールの誕生 (birth of cool)」というアルバムを完全コピーという内容だった。ウエスト・コースト・ジャズらしい涼しくて気持ちの良い演奏にうっとりする。
あ、ちなみにお店の名前にもなっているベイクド・ポテトを頼んだらこれが信じられないぐらい美味しかった。ほくほくしたジャガイモがごろごろと転がっており、それを口の中でもぐもぐさせながらビールを流し込む。今日もいい一日でした。
今日はそんなところですね。ここまで読んでくださりありがとうございました。少しでも気に入っていただけたらスキしていただけると嬉しいです。
ロサンゼルスの旅はまだ続きます。次回お楽しみに。
それではどうも。お疲れたまねぎでした!