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後期高齢者の計り知れぬ底力

平均年齢75歳くらいの後期高齢者たちが趣味で薪窯を、年に1〜2回焚いている。
しかも、侮るなかれ、12時間交代で1週間昼夜焚き続けるという過酷なスケジュールである…

上は80代(8割以上が70代)で、
会話内容は主に、体の不調(関節の痛みや倒れた話など)について、孫の話や畑の話だが、はっきり言って、若者より元気である。

世界中で同じ様なことが起きていると思うが、コロナ禍の自粛生活のために外出ができなくなり、著しく体力が落ちてしまったのは悠々自適に暮らしていた高齢者だろう。
今まで自由に出歩いていたり、友達に会ったりしていた元気な人たちが、コロナの恐怖と周囲の非難から買い物すらままならず、閉じ籠もらざるをえず、明けたら全てが元に戻ると思っていたら、動けなかった時間が重しのようにのしかかって来ている頃ではないかと思う。
体力や筋力の落ち方は中年の比ではなく、日頃の些細な行動すら、いかに大切だったかわかるくらいに、動かなかった1週間が1ヶ月以上のハンデとなって運動能力が低下していると実感していると思う。それが、かれこれ1、2年も続いているのだから、やっと行動制限が解除され自由になったと思ったら、今度は体が自由に動かなくなっていたなんて人は、たくさんいるのではないだろうか。

しかし世の中には、健康意識の高い人間というものがいて、
人に会えずとも街を出歩けずとも、意識的に日常生活で少しでも運動を心がけ、車には乗らずに、歩ける場所には自分の足でどこへでも歩き、早寝早起きし、晴耕雨読で雨の日は新しいことを学び、晴れたら趣味の畑に行き、出来たものや得た知識を裾分けすることで人とも交流し、という、昔話に出てくる最後に観音様が幸運を授ける勤勉で正直な村人のような生活をしている人がいて、そういう人を見ていたら、高齢期の健康とは何にも変えがたい幸運であり、昔話はやはり教訓のつまった寓話と思える。

そんな1人が81歳のサカシタさんなのだが、今回の1週間の窯焚きで2回徹夜焚き(夜8時〜朝8時)と昼当番も1回こなすスーパー後期高齢者がいる。

パソコンを使いこなし、早朝起床、午前中数時間を学習する時間(頭脳労働)に使い、その後に畑に行く。
畑も、4箇所くらいをそれぞれ別のグループでやっていて、定番の野菜から、たけのこ、クリ、椎茸、自然薯まで作っている

体で痛いところがあったら、もっと痛めつけるとそうでもなくなる、という独特な訓言を賜ったが、彼の様な生き方はしようと思って出来るものではない。

ちなみに高名な人物の名言を読み集めるのが好きらしくて、ドラッカーの名言のコップの水理論の話までしていた。半分入ったコップの水を半分しかないととるか、半分もあるととるかというあの理論なのだが、きっとサカシタさんの81歳は、まだ81歳であり、150歳(目標)の半分くらいしか来ていないということなんだろう。最後に、そのうち人生1000年時代に入るよって話していた。亀仙人か…

私にとって好奇心は生命の根源だと思っているが、好奇心を持つことにも体力が必要であると思う。そして、やはり好奇心のある人は元気である。
その延長上にある学ぶことや創ることなどは、子供の頃には受動的に嫌でも押し付けられていたが、大人では自らが努力しなければ絶対に得られないものであると思うから、それだけでも本当にすごいと思う。

そんなスーパー後期高齢者たちであっても平等に天から賜る歳には勝てず、
やれ、膝が痛くて窯づめがつらいとか、
やれ、連れ合いが具合悪くなったと急遽病院に行くことになったとか、
前年までこなしていた窯焚きが予想以上に体に応えてしまったりする。

そういう時の交代要員が、高齢窯だけにみんなギリギリでやっているのでいなかったりするので、近所に住んでいるという理由からサカシタさん(81歳)が駆り出されたりする…(みんな割と遠くから来ているので)

なので、本当に誰か薪窯に興味がある人いたら、連絡ください…
若くて(60歳以下で)体力に自信がある人なら尚良しです。

昨日あたりから変なところが痛くて、知らない間に体を打ったかな…とか考えていたら、どうやら窯焚きの筋肉痛っぽい…なんもしてなかったのに…しかも窯焚きから1週間くらい経ってるけど…
どんだけ運動不足なんだ、私は……

窯詰めの準備中。

強還元で、バックファイアがおきている気がする…手が燃えて見える…
学生の時は、窯焚きを酒飲みながらやっていた記憶があるけど、歳的にシラフじゃないとむしろもう無理…

薪窯に使っている耐火レンガが全面灰かぶり(天然灰釉薬)してて、クリスタルの塊みたいになっている。

宮大工の職人さんが、薪を作ってくれています。
切っても切っても、すぐになくなるけどね…

大事なことなので、2回言いますが、
誰か薪窯に興味ある人いたら、お声がけください。

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