/こもる
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あの桜の木にはウロがあってね
そこに入ると、大きなものに守られているって気がして
とても落ち着くんだ
たしかに、ちょっとじめっとは、しているね
けど、何か生きているモノの中にいるって感じがするの
そうだね
たぶん、お母さんのお腹の中を思い出すのかもしれないね
中に入ると、今度は出たくなくなるんだ
このままずっとここに居たいと
そのまま穴なんか閉じてしまえばいいのに、って
桜の花が満開に咲く頃は、ウロの中がほんのり温かくなるんだ
(創世記「カインとアベル」)
The First Mourning ( by William-Adolphe Bouguereau in 1888) https://arthistoryproject.com/
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