なぜボーダーの服ばかり選んでしまうのか
気づけばクローゼットやタンスの中には、同じようなボーダーのTシャツが何枚も並んでいる。
白地に紺のボーダー、黒地に白のボーダー、グレーやモスグリーン……地味めな色合いばかり。
デザインは多少違っても、基本はボーダー柄だ。
なぜわたしはボーダーばかり選んでしまうのか?
ボーダーが持つ安定の安心感
まず、ボーダーの柄には「安心感」という魔力が潜んでいる。
これは、まるで定番メニューのラーメンを頼んでしまう心理と似ているのではないだろうか。
「今日こそ新しい味に挑戦しよう」と決意しても、気がつけば「いつものやつで」とオーダーしているのだ。
ボーダー柄はファッション界の「いつものラーメン」なのである。
冒険を好まない人にとって「未知のものに対する不安感」は常につきまとう。
新しいものや変化にはエネルギーを要し、それが負担となることが多い。
ボーダー柄を選ぶことは、日常の小さな決断においてリスクを最小限に抑え、心の安定を保つための一種の戦略ともいえる。
仕事・人生を安定させたいという深層心理の表れ
さらに、ボーダーの柄は規則正しく並んだ線である。
自分の仕事、ひいては人生もボーダーのようにきっちり整えたいという深層心理の表れかもしれない。
日々の仕事は、波のように忙しさが押し寄せる時もあれば、穏やかな時も。
ボーダーの規則的な線は、そうした波の中で心のバランスを保つ手助けをしてくれるような気がする。
好みの範疇を超え、日々の雑多なタスクに対する心の拠り所となっているのがボーダー柄の規則性なのだ。
わたしが海外でフリーランス業を営んでこれたのはボーダーTシャツも一役買っているとしたら、ボーダーが持つポテンシャルは計り知れないものがあるだろう。
まかさの「ヒーロー願望」?
ボーダー愛好者にはちょっとしたヒーロー願望もあるかもしれない。
考えてみてほしい、あの有名なキャラクターたちを。
ウォーリーやフランスの船乗りのイメージ…彼らはみんなボーダーを愛している。
ボーダーを着ることで、少しでも「どこかに冒険心がある自分」を無意識に演出していた可能性も否定できない。
日常は地味でも、心の中では海賊船に乗り込んでいるつもりなのだ。
つまり、ボーダーを選ぶことは日常における「冒険心を兼ね備えたヒーロー宣言」とも言えるだろう。
ボーダーを選ぶ理由は人それぞれ
毎朝、ボーダーを手に取る人には何かしらの理由があるに違いない。
そしてそれは、ボーダーの柄そのもののようにシンプルながらも奥が深いものなのだ。
これからもきっと、ボーダーのTシャツを新調するたびに「またか」と思うだろう。
でも、それもわたしらしさの一部だと考えれば悪くない。