文化人類学カフェ便り2013年9月

「リング(輪、円、環)」

 8月28日のテーマは『リング(輪、円)』でした。初めての図形(?!)がテーマの回です。考えてみれば、タイヤも○。缶も上から見れば○。構造的に強いので生活の様々な物に使われています。

 また、「夫婦『円』満」「『円』熟」など、言葉としての「まる」にはよいイメージがあります。時間も1から12までの「円」で表現されることが多いですね。午前と午後の2回、ゆるやかな円を描きます。どうやら、○は循環と安定を示しているようです。密教の曼荼羅図でも○が世界を示す重要な役割を果たします。

 一方で「繰り返され、宿命から抜け出せない」といったイメージもありそうです。ホラー映画が怖いのは、悲劇が繰り返されるからです。注意深くみると、恐怖映画では○が効果的に使われていることに気づくはずです。単なる図形もいろんな意味をもっています。生活の中にどのように円が使われているのか気にしてみると楽しくなってきたりして。

 次回は10月7日(月)。テーマは「観光」です。


※特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる発行の『ぐれいす村便り(2013年9月号)』掲載分を加筆修正しています。

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