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文化人類学カフェ便り

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※2010年7月から京都府舞鶴市の特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」主催事業である「シリーズとつとつ」(ダンサー 砂連尾理・哲学者 西川勝・文化人類学者 豊平豪が協働し…
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2020年4月の記事一覧

文化人類学カフェ2014年7月

文化人類学カフェ2014年7月

<ファッション?>

 「ファッション」がテーマの6月の人類学カフェは、意外な(?)盛り上がりを見せました。

 「ファッション」は流行とか流儀とかいう意味の英語から来た外来語です。ファッションを「流儀」と捉えると、出るわ、出るわ、「外見を装うこと」へのこだわりはいくらでも出てきます。

 服はなんでもよいと主張していても、スポーツウェアはブランド志向だったり、メガネ好きな人が、実はメガネをとった

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文化人類学カフェ2014年6月

文化人類学カフェ2014年6月

 <おそうじ?>

 最近の流行りで「除菌」って書いてあるおそうじグッズってありますね。テレビのCMとかで、空間にバイキンがうようよいる絵を繰り返し見せられると、バイキンたちがいない世界、すなわち無菌状態を理想の環境と勘違いしてしまいそうです。無菌状態は実験室でしかありえないはずです。

 一度どんなにきれいに除菌したつもりでも、しばらくすると、そこには様々な自然界の菌が入り込んできます。私たちは

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文化人類学カフェ2014年4月

「愛のレッスン2」
 『とつとつダンスpart2愛のレッスン』を観ながら、僕はアルファベットの「F」がどうしても発音できず必死に練習していた小さな頃の自分について思い返していました。

 「F」は上の歯を下唇にあてて音を出しますが、僕は下の歯を上唇にあてて音を出してしまう。でも、何度言われてもどう間違っているかわかりませんでした。

 左と右の区別も一緒。どちらが左でどちらが右か、さっぱりでした。

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文化人類学カフェ便り2014年3月

「愛のレッスン」
 みなさん、恋をしたことがありますか!! 恋は素敵なことですが、ときに嵐のように語られます。それは突然襲ってくる暴風雨であり、理性では如何ともしがたい災害のような何かです。打ちのめされ、たたきのめされることも多い。少なくとも僕はそうでした。それでも自分以外の誰か(他者)を求めずにはいられない。

 自分以外の他者を認識したとき「恋」は生まれます。おそらくそれは人間という種がもつ本

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