ニニンサンキャク
風がすーっと透き通って心地いい午後3時
太陽の匂いがしたタオルケットがいい感じに
私のことを包み込んでくれる。
そんなしあわせなお昼寝時間に
久しぶりにあの子はやってきた。
その子は私のことをしあわせなはずの夢の中で
イジワルをしてくる。
「お前が嫌って言えなかったから悪いんだ」
その子は毎回決まって私にそう
言っては去っていく。
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さあ、こんなメルヘンチックな入りは
おいといて。
PTSDの症状で「悪夢」というのがある。
夢の中でフラッシュバックをおこすのだ。
現実でのフラッシュバックもコントロール
するのが難しいのに夢の中まで侵入してくるとは
なんともタチが悪い。大嫌いだ。
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私の悪夢は毎回内容は決まっている。
小学校の時に真っ黒なクローゼットや
部屋の暗い隅においやられて
閉じ込められて性被害にあったところ。
目覚めるときは息があがっているか、
泣いているかそのどちらかだ。
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自分が悪いことをして(断れなかったというのはおいといて)PTSDになった訳じゃないのに
なんでこんなに辛いことを抱えなきゃいけないのだろう。
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私には性被害にあってから苦手なことがたくさんある。
・見えないうしろから声をかけられること
・知らない誰かに急接近されること
・真っ暗な場所に行くこと
特にこの3つは大の苦手。
たまに仕事でうしろから話しかけられることが
あるけれど毎回「うわ!!」と声を出して
驚いてしまう。
苦手なのはそれが引き金になって
嫌な記憶を思い出すことがあるからだ。
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「病気は自分のたった一部分でしかない」
そう前向きに思える私もいるけれど
「病気のせいで自分を受け入れて貰えないかもしれない」と怖くなる私もいる。
鬱・PTSD・強迫性障害…
精神疾患に偏見がある世の中で
私にこの病気があると知ったら
私の本当の私を知ってもらうことなく
終わってしまうんじゃないか
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最近、私はたぶんこの感情は恋なんだろうな
と思える瞬間がある。それは以前の私だったら考えられなかったことで、私にとってしあわせな時間で沢山笑えてるのが楽しくて。
でも、どんなに楽しくてもしあわせでも
「私の病気を受け入れて貰えなかったら
どうしよう、怖いなあ」って思ってしまって
勝手に落ち込んでしまう。
性被害にあった汚れた私
そんな私をいいと思ってくれるんだろうか。
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とまあ、こんな感じで
まだ病気を「自分の1部」となかなか
思える時間が短くて「敵」と思う時間が長いんだけれども。
いつか、いつか
ニニンサンキャクで歩ける日がくると
信じて私は私を好きになれるように
大切にできるようにしたいと思う。