ぼうさいペディアの頭紙

元内閣防災官房審議官 ぼうさいペディア始めます

最近、大きな自然災害が頻発しています。

初めまして、佐々木晶二と申します。

私は長く行政で働いていたのですが、その中でも災害に関する法整備などに長く携わってきたこともあり、FUKKO DESIGNに参画させてもらいました。

簡単に自己紹介させていただきます。私は、阪神・淡路大震災の際には、建設省(当時)の都市計画課という部署で復興のための法律を担当していました。地震が発生した日からずっと役所に泊まり込んで一ヶ月で法律案をつくりあげました。

そののち兵庫県で勤務し自ら阪神・淡路大震災の復興事業を進める役を担当部長として行いました。フェニックス共済という住宅再建のために県民が助け合う制度をつくったりしました。

さらに、東日本大震災のときには、国土交通省都市総務課長として復興事業の予算を考え、そのにち内閣府の防災担当の官房審議官として災害対策基本法の大規模な改正を担当しました。

以上のような大規模な自然災害に関する国の制度改正と地方の実施事務の双方を担当したという私の経験から、みなさんに、将来の自然災害の備えとそこからの再生のために必要な、防災・復興対策の「きほん」をお伝えしようと思っています。

防災ペディアゼロ回の挿入図1

まず、一番大事なこと。

それは、大きな自然災害の直面したら、「自分と家族の命は自分たちで守る」ということ。

でも、残念ながら、私たちは人生で一度も大きな自然災害を経験していないことも多く、いざというときに直感で行動すると多くの場合、まちがってしまいます。

大きな災害に対してわたしたちは、どうしたらいいのでしょうか?

それは、正しい科学的な知識とこれまでの大きな自然災害で培われた経験を頭の中にいれておくことです。

たとえば、大きな自然災害や事故に直面すると、人は体が硬直して動かなくなることが過去の経験から知られています。

このようなときにも、「人って動かないもんなんだな」と知っていれば、いざというときに、周りの人に声をかけてみんなで動き出すきっかけになります。

このように、防災の知識は、いざというときに、命を守る「気づき」になります。

さらに、生き残ったあと、家族が生活を再建するための知識も防災の次に必要となります。

次回から、いよいよ「ぼうさいペディア」始めます。


話としては、大きく3つになります。


①事前の知識

自然災害の種類や、その対策としてどのような法律があるのか、そして、防災としてどのようなもの、ことを準備しておくべきかなどを紹介します。

②発災後の知識〜被災者として〜

自然災害ごとの対応の仕方、そして、避難所での生活、避難しない場合の注意点、行政やボランティアから受けられる支援などを紹介します。

③発災後の知識〜支援者として〜

被災者を支援する立場として、ボランティアや寄付などあるが、どのようなことができるか、そして、新たな支援などについて紹介します。

の3つのカテゴリーで紹介していきます。

災害が起きてもしっかり生きていく力をもてるよう、一緒に勉強していきましょう。


最後に「ぼうさいペディア」に込めた意味を少しだけ。

上にも書きましたが、日本は多くの自然災害に直面しながら、過去の経験を生かしきれていないところがあります。もっとみんなの知識や知恵を共有し、助けられる命を助けたいと思っています。

そこで、ここで書かれる情報はすべてフリーで活用しても良いこととします。自由にシェアして多くの人に伝えてください。そんな意味も込めてこのタイトルにしました。

ぼうさいペディア ご期待ください。


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