小説紹介「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」
こんにちは、すいです。Twitterからnoteへ来てくれた人ありがとう!
なにを書こうか迷ったんですが、小説紹介をしてみます。拙い文章ですが是非読んでくださると嬉しいです!ネタバレないです🙆🏻♀️
※内容紹介に加え、個人的な解釈と感想も書いています。
今回紹介するのは桜庭一樹さんの「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」です。
概要
この本にはいくつかのバージョンがあります。内容は全て同じです。
これに加えて、漫画化されたものもあります。絵は漫画版「サマーウォーズ」も担当されている杉基イクラさんが描かれています。
自分は左上の角川文庫のものと、さきほどのコミカライズ上下巻を持っています。
最初のバージョンは2004年に富士見ミステリー文庫から刊行された写真右下のものです。
すごく萌え〜な絵だと思いませんか?実はこの本、ラノベとして出版されているんです。
個人的なイメージになってしまいますが、ラノベといえば主人公の男性と可愛いヒロインによるはちゃめちゃ恋愛ストーリーだったり、異世界転生で特殊能力使えちゃうぞ系だったり…なのですが、この本はそのような展開はありません。
どちらかというとサスペンスのようなジャンルに入ると思います。
読みやすさはラノベに近いです。文章の読みやすさも、おすすめしたい理由のひとつです!
内容−本書は「鬱小説」か?
さっそく内容に入っていきます。まだこの本を読んだことがない人に全力でおすすめするような感じで書いていけたらと思います!
まず、この小説はときに「鬱小説」と呼ばれます。鬱といったら重々しいジメジメとした雰囲気を感じませんか?それか、すごくグロいとか…
たしかにこの小説は鬱小説だと言えると思います。ですが、重々しい鬱ではないです。鬱の中にも儚さや切なさがあるというか…。
とあるYouTuberさんの言葉をそのままパクると、「爽やかな鬱」という表現がしっくりきます。
とにかく、ただの鬱小説ではないんです。読みにくいということもありません。
鬱小説と呼ばれている理由も考えてみます。
おそらく、「どうすることもできない無力さ」が鬱を感じさせているのだと思います。
この物語の舞台は田舎。主人公は貧乏な家で暮らしている女子中学生、山田なぎさです。この時点で「田舎」、「貧乏」、「中学生」というワードが閉塞感を加速させていると思います。この閉塞感、無力さ、「私たちにはどうにもできない」、がこの物語の主軸となるテーマになると思っています。
ではもう少し詳しい内容と魅力をネタバレ抜きで紹介していきます!
内容−本書の魅力
とはいえ、まだ読んだことのない人におすすめするということなので、あまり内容についてべらべら書きたくはないんですよね。知らないまま読んでほしいとも思っているので…。なので、あくまで軽く紹介してみます。
まずさきほども書いた通り、主人公は貧乏な家で暮らす女子中学生、山田なぎさ。舞台は鳥取県の田舎です。
そしてもうひとり重要なキャラクターが海野藻屑です。海野藻屑が山田なぎさの通う中学校に転校してきたところから物語は始まります。
山田なぎさは自称現実主義者で、妄想より現実、夢よりお金、そんな考えを持っています。というか、そんな考えを持とうとしている少し背伸びしてみた中学生という感じです。この「現実」や「お金」は物語を通して「実弾」という言葉で表されています。
海野藻屑は山田なぎさと違って、ありえない妄想や嘘を語るお金持ちの不思議ちゃんです。そんな藻屑を見て山田なぎさは『(へんてこな嘘をかたって構ってほしいだなんて、)この子はまだ余裕があるんだなぁ』という感想を抱きます。この「妄想」や「嘘」は「実弾」とは対比的に「砂糖菓子の弾丸」と表されています。
しかし、海野藻屑にも複雑な事情があるようで、それぞれ正反対に見える2人はどちらも今の環境をどうにかしたいと願っています。
山田なぎさが海野藻屑の事情を理解していきながら物語は進みます(正確には、その部分は回想のような形で進んでいきます)。
…これ以上はネタバレな気がするので、次は少しずつかいつまんで魅力を書いていきたいと思います。
内容−本書の魅力2
自分がこの小説を初めて読んだのは中学3年生の夏休みです。その頃、読んだ後すぐメモ帳に感想を書いていたのでそれを見ながらこの文章を書いていきます。
そのメモ帳に自分は、最初に伏線回収について書いています。伏線回収というとなんだか違う気もしますが、物語のあらゆるところに散らばる要素が次の展開を作っていくような感じがしました。ネタバレになるのでなにも書けない…笑
物語中に複数回登場する、「ミネラルウォーター」、「嵐」、「クイズ」という要素や、藻屑が現実をごまかすような発言が物語中に散らばっていたことに惹かれていました。
その後は藻屑の行動について考察していました。これもネタバレなのでなにも書けません。こういう行動をしたのは、これが分かってたから?みたいな。そういうのを一回一回考えながら物語を読めるようになりたいです。
そして疑問も書いています。2人は希望を持っていたのか?という疑問について考えていました。これについて考えるのは面白そうです。諦めているように見えて、諦めている人から「諦めたことが分かるセリフ」は出てくるのか?とか…いろいろ考えていたみたいです、当時の自分は…。
すみません。おすすめというか自分の感想を述べてばっかりになってしまいました…。
最後に
書く場所がなかったことを書きます。
グロいシーンについて
やんわりとはありますが、生々しい表現は使われていません。おそらくグロさについては心配いらないと思います。びっくりシーンもありません。
重々しくない読みやすい小説です。なんだか憂鬱な、寂しいような、心臓がギュッとなる感じはしても、それでもページをめくる手が止まらない本でした。
この文章を読んでもし「砂糖菓子の弾丸の弾丸は撃ちぬけない」を読んだという方がいらっしゃいましたら是非感想教えてください!マロ(Twitter:@sui_9_2_8)いつでも受け付けています!
ffさんでここまでこの文章を読んでくれた人いるのかな…よければ感想くれるととっても喜びます…!