短バト「おもいでのなかの傘」:結果発表
短バト(短歌バトル選手権)、「おもいでのなかの傘」の結果発表です。今回の優勝は、1位タイとなり、2作品です。
優勝:差し出せばなにか変わったのだろうか鞄のなかの傘が重たい/高田月光
高田月光さんの作品です @v8QdMu8WOfj9vbi
優勝:ひとつずつ傘が閉じられ六月の渡り廊下できみを見つける/中村マコト
中村マコトさんの作品です @fuyuhanamachi
アンケートバトルでは、最初から接戦が繰り広げられておりました。もつれ込むようにして最後まで同点の状態でアンケート締切。綺麗な形で1位タイの2名優勝となりました。おめでとうございます!
◯差し出せばなにか変わったのだろうか鞄のなかの傘が重たい/高田月光
高田月光さんの作品。後悔というのは恋につきもの。基本、後悔の連続。そこを悩まずすっと行動に移せる人がほんとうらやましい。この作品の主体も、チャンスと思える瞬間はあって、しかしできなくて、後悔している。好きな人に傘を差し出せるチャンスなんて、学生生活通して考えても1,2回じゃないでしょうか。そのチャンスを逃してしまう。そのことを後悔しつつ雨の中歩いているのでしょう。
◯ひとつずつ傘が閉じられ六月の渡り廊下できみを見つける/中村マコト
中村マコトさんの作品。ビジュアルが素敵です。私が通ってた高校が、山の斜面みたいな場所に建ってて、校舎と校舎の間が、空中の渡り廊下で繋がっていたため、最初、そのタイプの渡り廊下を想像してしまいました。ではなく、この短歌で登場するのは、地上の渡り廊下ですね。
主体はちょっと離れたところから渡り廊下をみている。渡り廊下には傘をさした生徒たちが集まってきている。さまざまな色合いの傘が次々と閉じられていき、その中から「きみ」が現れる。そんなシーンを想像しました。傘で隠されていたものが見える、しかもそれが「きみ」である、という喜び。まさに「見つけた」ですね。もしかしたら、「きみが」みえるのをわかっていて、ちょっと離れたところからその様子をみていたのかもしれません。カラフルな傘の隙間から見えるという映像がなんとも美しい作品だなと思います。
短バトは、少しずつ実施方法をバージョンアップしながら続けていきたいと考えています。また次回をお楽しみに!