『若おかみは小学生!』と『千と千尋の神隠し』
ふかい たかあき
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先日、『若おかみは小学生!』という映画を観てきました。
友人のでほさんが、「これはいい映画。素晴らしい。絶対観たほうがいい」とプッシュしてきたので、普段は映画館で映画を観ない私ですが、そこまで言うならと、ちょっと足を伸ばして観てきました。今回は、映画の評論みたいなことをしつつ、類推していこうかなと思います。
先ほど、「私は普段映画館に行かない」という話から説明すると、私は映画が始まる前に 見せられるCM が嫌いなんですよね。映画自体で2時間も縛られるのに、なんでCMに15分も取られなきゃいけないのかって思うわけです。
もう一つ、これ私の持病みたいなものなんですけど、私、頻尿なんですよね。映画をぶっ通しで2時間観るのがキツイんです。今回もそうですが、いつも映画を観る2時間前から水分をカットして挑んでいます。今回の映画は、94分と映画の中では短いほうだったので、「これだったら観てもいいかな」と思い、観て来たわけです。
全体の評価としては、「尿意を忘れるほどいい映画だった」です。
では、映画の話に移ります。
映画の中で度々で出てくる言葉に「花の湯温泉のお湯は、すべてを受け入れて癒してくれる」があります。この言葉は、その後出てくるクセのあるお客さん達のことを意味しているんですが、私はそれ以外にもあると思っています。
ポスターを見た時から感じていたんですが、キャラの描き方(タッチ)がバラバラなんですよね。色々な種類のキャラデザが混じってるんですよ。映画を観ていてもそれを凄く感じました。
この映画を薦めてくれたでほさんに聞いたところ、様々なアニメ事務所の出身者が絵を描いているとのことでしたので、そういう意味を含めて「すべてを受け入れる」ってことなのかなとも思いました。
全体の流れとしては基本、主人公のおっこちゃんが成長していく物語です。成長するにあたり、課題を与えられるわけですよ。で、その課題を一つひとつ克服して成長していくんですが、課題や克服が丁寧に作られており、一歩一歩、着実に成長していくのが分かりやすく作られています。成長の坂道を登っていくというよりは、階段を一つひとつ登っていくようなイメージです。
主人公のおっこちゃんは小学6年生12歳の設定ですが、この話は大人が主人公でも成り立ちます。20代の女性が何か事情があって、旅館の若女将を務めることになる設定でも、話としては普通になり立つんですよね。だから、主人公を子供にしているけど、大人でも十分に観れる作品になっています。
終盤に、「おっこは一人じゃない」という台詞が出てきます。この台詞が出てきたあたりから、別れが近づくわけです。別れるのは、霊体の両親、他幽霊の子供2人と鬼一人です。この「おっこは一人じゃない」をどう読み解くかが、この映画の味噌でもあると思うんですよね。
私はこの台詞の答えとして、最後の神楽があると思います。
おっこのがライバルでもあり友達の女の子と一緒に舞台で踊ります。それを見ている観客の中に、旅館に泊まってくれたお客さんも混じって応援してくれている。で私は、観客の中には、今劇場で映画を観てくれている人も含んでいるんじゃないかなと思うわけです。
神楽は、映画の冒頭でも出てきました。そして最後にも出てきた。映画を観ている観客は、最初と最後では観ている立ち位置が違っているはずです(そのようになることを意図して作っていると思う)。映画を観ている私たち観客は、冒頭の神楽を客観的に観ていたけど、終盤の神楽は、劇場の中にいる観客と同じ目線になって神楽を見ている。つまりそれは、映画に出てくる観客(旅館に来たお客)と映画を観ている観客が一緒に成って主人公のおっこを見守っている。そういう意味も含めて、「おっこは一人じゃない」ってことなんだと思います。
最後に類推をします。
『若おかみは小学生!』を類推すると、毒気を抜いた『千と千尋の神隠し』です。
『若おかみは小学生!』は事故で両親を亡くし、『千と千尋の神隠し』は両親が豚になり、主人公の成長には関わりません。また、部隊が旅館というところも類似性があります。ただ、登場人物の毒気がだいぶ違います。『若おかみは小学生!』は、基本みんないい人です。一方、『千と千尋の神隠し』は、キャラにいい部分と悪い部分が共存しています。ここの部分だけが大きく違います。そして最後は、関わった人たちが応援してくれてエンディングを迎える。これも類似性があります。
というわけで、『若おかみは小学生!』を類推すると、毒気を抜いた『千と千尋の神隠し』になる、でした。
このアカウントのテーマは、「身近にあった出来事や時事ネタをアナロジー思考を用いて類推していく」です。音声配信がメインとなります。ご興味があれば、フォローしてください。さて、今回はどのような類推が飛び出すのか。お楽しみに。
【アナロジー思考のコツ】
アナロジー思考法について、こちらのブログで詳しく説明しています。
https://fukaihanashi.hatenablog.com/entry/2017/04/03/201956
友人のでほさんが、「これはいい映画。素晴らしい。絶対観たほうがいい」とプッシュしてきたので、普段は映画館で映画を観ない私ですが、そこまで言うならと、ちょっと足を伸ばして観てきました。今回は、映画の評論みたいなことをしつつ、類推していこうかなと思います。
先ほど、「私は普段映画館に行かない」という話から説明すると、私は映画が始まる前に 見せられるCM が嫌いなんですよね。映画自体で2時間も縛られるのに、なんでCMに15分も取られなきゃいけないのかって思うわけです。
もう一つ、これ私の持病みたいなものなんですけど、私、頻尿なんですよね。映画をぶっ通しで2時間観るのがキツイんです。今回もそうですが、いつも映画を観る2時間前から水分をカットして挑んでいます。今回の映画は、94分と映画の中では短いほうだったので、「これだったら観てもいいかな」と思い、観て来たわけです。
全体の評価としては、「尿意を忘れるほどいい映画だった」です。
では、映画の話に移ります。
映画の中で度々で出てくる言葉に「花の湯温泉のお湯は、すべてを受け入れて癒してくれる」があります。この言葉は、その後出てくるクセのあるお客さん達のことを意味しているんですが、私はそれ以外にもあると思っています。
ポスターを見た時から感じていたんですが、キャラの描き方(タッチ)がバラバラなんですよね。色々な種類のキャラデザが混じってるんですよ。映画を観ていてもそれを凄く感じました。
この映画を薦めてくれたでほさんに聞いたところ、様々なアニメ事務所の出身者が絵を描いているとのことでしたので、そういう意味を含めて「すべてを受け入れる」ってことなのかなとも思いました。
全体の流れとしては基本、主人公のおっこちゃんが成長していく物語です。成長するにあたり、課題を与えられるわけですよ。で、その課題を一つひとつ克服して成長していくんですが、課題や克服が丁寧に作られており、一歩一歩、着実に成長していくのが分かりやすく作られています。成長の坂道を登っていくというよりは、階段を一つひとつ登っていくようなイメージです。
主人公のおっこちゃんは小学6年生12歳の設定ですが、この話は大人が主人公でも成り立ちます。20代の女性が何か事情があって、旅館の若女将を務めることになる設定でも、話としては普通になり立つんですよね。だから、主人公を子供にしているけど、大人でも十分に観れる作品になっています。
終盤に、「おっこは一人じゃない」という台詞が出てきます。この台詞が出てきたあたりから、別れが近づくわけです。別れるのは、霊体の両親、他幽霊の子供2人と鬼一人です。この「おっこは一人じゃない」をどう読み解くかが、この映画の味噌でもあると思うんですよね。
私はこの台詞の答えとして、最後の神楽があると思います。
おっこのがライバルでもあり友達の女の子と一緒に舞台で踊ります。それを見ている観客の中に、旅館に泊まってくれたお客さんも混じって応援してくれている。で私は、観客の中には、今劇場で映画を観てくれている人も含んでいるんじゃないかなと思うわけです。
神楽は、映画の冒頭でも出てきました。そして最後にも出てきた。映画を観ている観客は、最初と最後では観ている立ち位置が違っているはずです(そのようになることを意図して作っていると思う)。映画を観ている私たち観客は、冒頭の神楽を客観的に観ていたけど、終盤の神楽は、劇場の中にいる観客と同じ目線になって神楽を見ている。つまりそれは、映画に出てくる観客(旅館に来たお客)と映画を観ている観客が一緒に成って主人公のおっこを見守っている。そういう意味も含めて、「おっこは一人じゃない」ってことなんだと思います。
最後に類推をします。
『若おかみは小学生!』を類推すると、毒気を抜いた『千と千尋の神隠し』です。
『若おかみは小学生!』は事故で両親を亡くし、『千と千尋の神隠し』は両親が豚になり、主人公の成長には関わりません。また、部隊が旅館というところも類似性があります。ただ、登場人物の毒気がだいぶ違います。『若おかみは小学生!』は、基本みんないい人です。一方、『千と千尋の神隠し』は、キャラにいい部分と悪い部分が共存しています。ここの部分だけが大きく違います。そして最後は、関わった人たちが応援してくれてエンディングを迎える。これも類似性があります。
というわけで、『若おかみは小学生!』を類推すると、毒気を抜いた『千と千尋の神隠し』になる、でした。
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【アナロジー思考のコツ】
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