フランク・マコートの自叙伝「アンジェラの祈り」を読んだ。
「アンジェラの祈り」はアメリカの作文教師フランク・マコートの自叙伝だ。ニューヨーク生まれの、アイルランド育ち。長じてアメリカに渡り、苦労して大学へ行き、高校の英語、作文教師になった。子供時代のことを描いた「アンジェラの灰」はピューリッツァー賞を受賞し、全世界で500万部売れた。その続編が本書だ。
本屋で「アンジェラの灰」とぶつかり、衝撃を受けた友人が勧めてくれたのが十年以上前のこと。私も読んでびっくりした。会話が地の文に溶け込んでいる独特の文体も凄いのだけど、驚異的なのは記憶力だ。どうしてこんなに細かいエピソードを覚えているのだろうと戦慄した。
「アンジェラの祈り」は家族の物語である。あるいはアイルランド人の話である。カトリック教徒の話でもある。豊かなエピソード、次々にあらわれる魅力的な登場人物たち。たまに人生の話を読みたくなったら、「アンジェラの灰」と「アンジェラの祈り」を読むことをお薦めする。あまりの面白さに一気読みだ。ただしどちらも絶版なので、図書館で借りるしかない。
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