41. ルックバック

とりあえず言いたいのは転売っていうのをはじめてどうかと思ったわ。抽選方式のというか思い出的でない物は致し方ないとしても、記念に買いたいものってあるじゃんね、パンフレット買いたかったよ、売り切れだったよ、致し方ないだって納得しているわけではないよ致し方ないだよ、そういう節度とか思い遣りとかあるよね、商売の基本だよね、便利になったようで多様なものが捻くれたというか、なんでこんな世の中になってしまったんだ、明るみに出た、表面に浮き出た、そうは思いたくないところではある。科学の発達に対して人間の精神は停滞している、子どもの頃にそんな言葉を読んだ、まだこれからであると思いたい。

才能があったとして、その才能をどう使うかって才能があって、引っ張るか支えるか、その両方がどこかに必要になったりして、成功というものが目の前にあったとしても、それが本当に手に入れたいものかどうか、実はもっと大切なものがいくらでもあるのではないか、浮かれて走ったあの道と、いまも大事にされた気恥ずかしさ、同時にその手も。どう転んでも互いが互いに、もう折れることなく。どんなパラレルでも。羨ましいな単純に、綺麗な隅でなんて青春。

高校生活がなかったから、漫画や映画でそんなに煌びやかなのかなとか思ってた。中学と変わらないとして、それだったらやっぱり光のあたらない場所はあるし、大学生活もゼミやサークルを無視してクラスもなかったからかそんなに鮮やかではなかった。大人になって成功を、金や名声や権力や、日々が贅沢なことばかりがいいようにクローズアップされて、それは子供の世界にも影響あって、スクールカースト、目立つやつが一軍でそれが偉いみたいなマウントがあったりなかったり、でも何かそんなんて違うよな。それぞれにそれぞれの居場所があって、それぞれに楽しくて、それでいいんだって、大人も子供も。光なんてどっからどうあてるかでしかないよ。自分以外の価値観なんかどうだっていい笑顔があった。幸福なひだまり。

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