なぜメガネが痛い/ずり落ちるのかードイツの眼鏡士がわかりやすく解説
こんにちは、ドイツにいる眼鏡士、ユータローです。
メガネをかけている人が一度は経験したことがある、メガネがずり落ちる問題。夏に汗をかくと、滑って特にひどいですよね。
また逆に、落ちる気配はないけれど長時間かけていると耳が痛い、ひどい場合は頭が痛いという場合があります。
これは眼鏡屋によって正しいフィッティング(調節)がなされていないからです。これがなぜ起きるのか、図を交えて解説します。まずは、なぜ痛くなるのか。
カナメはツルのモダンが耳に沿っているか
ツルとはメガネの二本の腕のことです。モダンとは、ツルの端のカクンと折って下がっている部分です。
フィッティングで一番重要なのは、モダンが耳の根っこの形にぴったり沿ってしているかどうか。下の図をご覧ください。
出典:W.Schulz; J. Eber* Brillenanpassung, ZVA Düsseldorf 1997
左図では、点線で表されている六角形の半分のような耳の根の形と、モダンがぴったりあっていません。右図ではぴったりと沿っています。
左図の場合、モダンと接している上の角と、右の角の部分が痛くなります。右図の場合、痛くなることもないしずり落ちることもありません。
ずり落ちるのは耳の根の角とモダンの角が合ってないから
メガネがずり落ちる大半の理由は、耳の付け根の角とモダンの角とが合っていないからです。下図をご覧ください。
このように、モダンを曲げる位置を間違えて角と角が離れてしまうと、開いた距離だけアソビができます。これだとすぐ頭を前に傾けただけで鼻眼鏡になってしまいます。
耳裏の、頭のくぼみに合っていない
普段見ない部分だと思いますが、耳裏の頭にくぼみがある人がいます。
この場合、モダンが耳の根っこの形に曲げられただけでは接地面が不揃いにで、痛くなります。モダンがくぼみの形通りに凹んいればバランスよく力がかかり、良い引っかかりになります。
以上です。メガネが痛い、もしくはずれると感じる場合、これらの要点をチェックして、腕のいい眼鏡屋にフィッティングしてもらってください。スキ、お願いします!
他にも色々見る点がありますが、それはまた次の機会に。
最後に、眼鏡士に聞きたいテーマがあれば下にコメントしていただければ幸いです。