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メガネの扱い方ードイツの眼鏡士が解説

こんにちは、ドイツの眼鏡士/メガネデザイナーのユータローです。

前回はメガネの歪みについて解説しましたが、今回はメガネの扱い方について解説していきます。

街を歩いていると、ああ、だめ!と言ってしまいたくなるようなメガネの扱いを見ます。

フレームは優しく扱う

フレームは特殊な素材でできていない限り、力や熱で元の形状から変化します。なので当たり前のようですが、優しく扱いましょう。

カチューシャみたいに、頭にかけない

よく街中で見るのはサングラスを頭にかけている人たち。老眼鏡もそうですが、よく着脱をするものを頭にかけるのは確かに便利です。しかし、頭のハチが広い場合ツルを広げてしまい、フレームの真ん中から平べったくなったり、前回の記事の例にあるように最悪の場合内側に反ってしまいます。こうなるとメガネの矯正効果も逓減していきます。

さらに、髪についた皮脂がレンズを内側から汚してしまいます。拭くのも面倒ですよ。

ツルに柔軟性の高いが使われている場合は歪む問題は少ないかもしれません。老眼鏡を買う予定で、頭にかけることが多くなりそうだと思う場合はツルの素材、その柔軟性に気をつけてください。

ケースを持ち歩く

使用のタイミングを見計らい長時間必要じゃなくなったと判断したら、サングラス、老眼鏡をケースに入れて持ち歩きましょう。大概のケースは中に柔らかい素材、外に硬い外殻があてがわれていているので、大切なメガネも安全です。

服のポケットに入れるのもなるべく避けましょう。知らぬうちに硬いものが入っているかもしれないし、金属製のボタンが内側にあるとレンズだけでなくフレームに傷が入ります。布繊維も荒いとレンズの表面を傷つけ、かければ曇っているような見え方になります。

レンズは専用の極細繊維で拭く

友人がやると真っ先に制止するのは、Tシャツでゴリゴリとレンズを拭くときです。最近のレンズには薄い層の反射防止コーティング、ハードコーティング、クリーンコーティングがだいたい施されています。Tシャツの繊維が粗ければこの薄い層を傷つけて、レンズを曇らせます。

レンズが傷ついたと思うとき、実はレンズそのものが傷ついているのではなく、コーティングが剥がれているだけのことが多いです。コーティングの剥がれは修理できません。

メガネをかけている人は買うとよくついてくる専用の極細繊維を常に持ち歩くことをお勧めします。

置くときはひっくり返す

ケースに入れずメガネを置く場合、ツルを開いてひっくり返すか、畳んでひっくり返して置きましょう。前面を地面につけるのは絶対にやめましょう。

開いてひっくり返すのは、どこからか衝撃がかかったときに、ツルの大部分が地面に近いと歪む余地が少ないからです。開いて置かれているだけだと、例えばツルの真ん中に衝撃がかかったとき、そこから地面までの距離だけ歪む余地があります。

メガネを上からチョップして、どちらがより壊れなさそうか想像するとわかりやすいです。

畳んでひっくり返すのは、畳んでそのまま置かれているときよりもレンズを支えている枠の重さがフレーム全体にかからないからです。

メガネをかけたまま寝ない

必ず外して寝ましょう。眼鏡屋で仕事をしていてよく来るのは、眼鏡をかけたまま寝たら曲がって掛けごごちが悪くなったので直してくれという依頼です。特に柔軟性の少ない金属素材の場合、力がかかった分だけ曲がってしまいます。

海に行ったら必ず水で流す

砂が残った状態で服とレンズを傷つけます。まず真水と指先で優しく洗い流してから極細繊維で拭きましょう。


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