メガネの歪み、その種類ードイツの眼鏡士が解説
こんにちは、ベルリンの眼鏡士/メガネデザイナーのユータローです。
メガネを長い間かけていると、物に当たったり曲がったりして、どうしても歪みが生じてしまいます。しかし慣れてしまえばそれが普通になってしまい、視力矯正効果が減っているのに気がつかず生活してしまっているかもしれません。
今回は、眼鏡屋へ調整してもらうといい歪みについて解説していきます。
まず、ひっくり返して机の角に当てる
どう歪みを検証するのか。メガネをひっくり返して両枠を直線の机の角に当てます。垂直に上から見て観察します。
プロペラ
プロペラとは、ブリッジが前後にねじれていることによって、左右のフレームが反対方向に傾いてしまっている状態のことです。メタルフレームは力の作用によって、アセテートのプラスチックフレームは熱と力の作用によって起こります。
これによって視覚のための最適なレンズの傾きが失われて、見え方が悪くなります。
また、ねじれによってツルが左右で上下してしまうので、メガネをかけたときに前から見て傾きます。ドイツの眼鏡屋はまずこの部分から直します。
段差
これは、左右の両枠が前後で段差になっている状態のことです。主にメタルフレームで多い症状です。
フレームの弧形
通常のメガネは上から見てフレームが弧を描いています。ざっくり言って、フレームがレンズの球面に合わせて曲がっているからです。
片側のレンズのもっとも離れている点をつなぎ、顔と平行な線に対して5度くらいあるのが一般的です。
これが平たすぎると下図のように光学中心軸が顔の前で交差してしまい、瞳孔にも当たりません。フレームが曲がりすぎると逆のことが言えます。
メガネの傾斜
メガネには横から見てフロントがツルに対してが10度前後の前傾斜があります。フロントとツルのつなぎめの角(ヨロイ)に力がかかり、これが地面に対して直角に近くなったり、傾斜が強くなりすぎることがあります。
メガネの前傾斜は、人が生活で見ている目線の角度にあわせたものです。ずっと地面と平行に水平線を見ませんよね。だいたい下に10−15度の方向を見ています。
このテーマについては、また別の記事を書きます。
ツルの開いた角度
フロントとツルのつなぎめ(ヨロイ)に力がかかり、大きく開いてしまったり、狭くなってしまうときはよくあります。
メガネをかけたときにレンズと目の距離が左右で違うと感じたら、これが原因であることが多いです。
ツルが閉じたときの対称性
ツルを閉じ後ろから観察して見て、その角度が左右で違っていたらまたフロントとツルのつなぎめ(ヨロイ)が曲がっています。
欠けた時に前から見て斜めに傾いてしまうので、早急に直しましょう。
以上です。このような歪みがあったら腕のいい眼鏡屋に直してもらってください。役に立ったなと思ったらスキお願いします。