変な話『にゃにゃ、にゃにゃにゃにゃにゃ?』
「皆さんこんにちは。私は、動物博士のヘクターです。私は、あらゆる動物について、あらゆる研究をしてきました。オーストラリアでは、カンガルーのジャンプ力とプライドの高さの相互関係について。アマゾンでは、アリゲーターの鱗別性格診断。中国では、寝起きパンダの目ヤニ成分についてなど、その他にもあらゆる種類の動物を研究してきました。ええ、それはもう本当に多くの動物です。かなりの時間も捧げました。今日はその中でもとっておきの研究を紹介します。それは『猫同士間における会話内の三人称』についてです。実に面白い研究結果が出ました。結論からお伝えしますと、猫同士の会話では、三人称は存在しませんでした。理解し難い事かも知れませんね。百聞は一見に如かず。実際にこの二匹の猫ちゃん達の会話を見てみましょう。」
「この前、ほんと最悪だったの」
「どうしたの?」
「私が大好きな特等席で日向ぼっこをしてたら、オエオエするもんだから、もう本当嫌になっちゃうわ〜」
「それは災難だったね」
「しかもそのまま、私の目の前で毛玉を吐いたのよ。最悪よ」
「うわ〜きったなーい。最悪ね。ところで誰が毛玉を吐いたの?」
「え?えーと、その、あれよ。・・・なんて言うか・・・まぁ良いのよ」
「・・・そう。まあ、良いや。あ!そうだ、とっておきのマタタビ畑の場所を教えてもらったんだあ。」
「とっておきのマタタビ畑?!良いなぁ!いったいそれは何処にあるの?!」
「今度、一緒に行こう!案内するよ」
「やったー!嬉しいわ。ところでとっておきのマタタビ畑は誰が教えてくれたの?」
「え?えーと、なんだっけなぁ。あれだよ、あれ。・・・その・・・なんて言うか・・・まぁ良いだろ?」
「・・・ふーん。まあ良いわ。そう言えば、あなたに言伝があったわ。十七時に公園の草むらに来てだって」
「十七時に公園の草むら?誰からの言伝?」
「えっとー・・・その、あれだよ。まぁ良いわよね?」
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