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転職でベンチャー企業に入社するときの4つの心得

僕は、過去ベンチャー企業でビジネスサイドの責任者として、中途採用をしたり中途人材のオンボードをしていました。

2022年1月現在、前の会社を退職して次もベンチャー企業に入るだろう、というフラフラした状態ですがきっとベンチャー企業に転職するので、採用する側・オンボードをする側をやった上で改めてベンチャー企業への転職者になります。

自分の経験を踏まえて「自分が次の会社に入るときはこういう心構えが大切だよね」と思ったことをまとめました。
これからベンチャー企業に入社する人や、最近ベンチャー企業に入社した人の役に立てたら嬉しいなという記事です。

転職でベンチャー企業に入社するときの4つの心得
①郷に入っては郷に従う
②既存メンバーを強くリスペクトする
③信用貯金を貯める
④自分を理解してもらう労力を惜しまない

①郷に入っては郷に従う

「その土地に入ったら、その場所の慣習や風俗にあった行動をとるのが処世の術だ」という意味の諺ですね。言い換えるなら「新しい会社に転職したら、その会社の慣習や流儀に適応するように自分の行動を変化させよう」でしょうか。

もうそのまんまですね。違う会社に入ったのに前の会社の慣習や流儀に固執するのは意味わからないですもんね。転職入社した人が「前職では〜だった」ばっかり言ってたら「いや... ここはあなたの前の会社じゃないんです...」ってなるだけですね。
「前職では〜だった」を言うのが適しているのは、ゴール達成に必要な知見の引き出しとして過去の経験を語る必要があるときくらいかなと思います。転職先の会社の事業成果をより高めるための良い手段を知っていて、それを前職で経験していたら「前職では〜をやったらうまくいった。だから〜をやると良いと思う」という提案は転職者ならではの素敵な行動だと思います。

人数が少ないベンチャー企業に転職すると、なにもかも整っていなかったりレクチャーもマニュアルもろくに無くてOJTメインで推奨手順もわからないけど入社初日から業務実行してみるしかなくて実行するけどわからないことしかないから既存メンバーに何回も質問して解消しながらやっていく、みたいになります。
潤沢な人員で長い期間をかけていろいろな事柄を整えてきたような、規模が大きい企業からベンチャー企業に転職すると、整っていないことに対して思うことはいろいろあると思うんですよね。
ただ、人数の少ない企業は、業務を平準化するよりも属人化を極めて『再現性は無いけど各人がめっちゃ成果出す状態』で全員が全力で走った方が良い事業成果が出ることが往々にしてあります。なので「整っていないからダメだ」と言ってても的外れになることが少なくないです。

また、ベンチャー企業では業務オペレーションの最適解が常にアップデートされます。全員で創意工夫を重ねまくっていると「先月の最適解を今月アップデートできてさらに良いものになった。やり方を変えよう」ということは当たり前に起きます。
むしろ、ベンチャーの最前線で仕事するということは、この「全員で最適解を常にアップデートし続ける」ことが使命でもあります。なので、中途半端な最適解でオペレーションを固めたり仕組みの構築をすると、オペレーションの変更や仕組みの変更を毎月何回もすることになりメンテナンスコストが膨らみます。従って、「かなりアップデートをし続けたから一旦これで固めて良いだろう」と思える程の最適解になるまでは手順やオペレーションは固まっていない方が良いという面もあります。

こういう点も、郷に入ったら郷に従いましょう。

②既存メンバーを強くリスペクトする

これまでその会社を成り立たせてきたのが既存メンバーの人たちです。お客様に買っていただけるサービスを創って、お客様に貢献して、お客様からお金をいただいて、会社を拡大してきた人たちです。

既存メンバーの人たちがいたから転職者はその会社に出会えたし、転職先に決めただけの会社の魅力を既存メンバーが創ってきました。この既存メンバーにリスペクトの気持ちを持たずに転職をするのは、結構な筋違いになってしまいます。

「みなさんがこれまで積み上げてきたものは素晴らしいです!これから自分も一緒に積み上げていきます!」というリスペクトの姿勢はとても大切です。

③信用貯金を貯める

業務成果を出して「あの人は成果を出してくれる」という信用を積み上げる。全てはここにかかっています。組織で自分がどれほど認められて、どれほど重要な役割を担えるかは、最終的には信用貯金の量でしか無いと思っています。

少しの信用なら短期的に貯めることができるし、大量の信用を貯めるには年単位の期間がかかります。

成果じゃなくてプロセスにも信用貯金はあります。どういうプロセスが称賛されるのかは各社のカルチャーによって異なりますが、だいたいどこの会社でも共通しているものだと、『速度が早い』とか『まず行動する』とか『年齢や経験に基づく不要なプライドを持たずに歳下の既存メンバーや社会人キャリアが少ない既存メンバーからも素直に学んで貪欲に吸収している』とかかなと思います。こういう、日々の行動に表れるマインドやプロセスは実はとても目立って見えるものです。
年齢やキャリアを重ねてしまうとどうしてもプライドを持ってしまうものですが、転職したら「新しい会社の新参者」なので年齢は関係ないんですよね。前の会社で高い成果を出して一目置かれていたとしても、転職したら「新しい会社の新参者」なので過去の栄光は関係ないんですよね。

④自分を理解してもらう労力を惜しまない

転職者は、どれだけ温かく迎えてもらっても新参者です。転職者がどういう経験をしてきて、どういう事柄が得意でどういう事柄が苦手なのか、どういうコミュニケーションのクセを持っているのか、既存メンバーは知りません。会社が自己紹介コンテンツを用意してくれていても、1回の自己紹介で自分を理解してもらうことはできません。

自分を理解してもらえていない初期の段階で「察してくれよ」と思うのは未熟者の思考です。自分を知ってもらえていないなら知ってもらえるように行動するのは自分の責任です。「前の会社ではこれで伝わってたのに...」って思うこともあると思いますが、転職したんだからこれを言っていても仕方ないです。転職者が自分で乗り越えるべき事柄です。

自分を知ってもらうために会話時間を多く持つことは大切ですが、業務の中で自分を知ってもらえるのが一番良いですね。数多く行動して、打席に立つ回数を増やせば、既存メンバーと関わる機会も自動的に増えるので自分を理解してもらえる速度が上がります

テキストコミュニケーションの手を抜かないのも大切です。ベンチャー企業だとチャット文化が多いと思います。リモートワークもありますし。
チャットのテキストコミュニケーションは、ニュアンスやテンションを読み手が自由に読み取ってしまうものです。「読み取って欲しいのとは違うニュアンスで読み取られてしまった」という弊害もあるのですが、これも郷に入っては郷に従うしかなく文句を言っていても仕方がないです。温度感を出すテキストを書くとか、テンションが読み取れるテキストを書くとか、自分という人間を正しく知ってもらうために、伝えたいニュアンスを正しく読み取ってもらえるテキストコミュニケーションも手を抜かず努力しましょう


僕は次の転職が人生で3回目になりますが、過去2回はここに書いてあることはまったく頭に無かったです。いや、「郷に入っては郷に従う」だけはなんとなく頭にあった気がします。転職入社後の初期は今思えば苦労しました。。。

36歳になり、もしかしたら自分は年齢と経験に基づくプライドを持ってしまうんじゃないか…という恐怖も感じていますが、この4つの心構えを忘れずに生きていきます。

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