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わがサラリーマン人生「仕事に”武勇伝”はいらない」


「それくらいのことで・・・」とか「オレの若いころは・・・」とか「昔に比べたら・・・」とか言いながら、自分の仕事ぶりを武勇伝として語る人がいます。40代後半より上で、役職もそれなりに上の人(管理職あるいはリーダークラス)が若い社員に対して言うケースが多いと思います。場所は、職場もあれば酒席もありますよね? これ、個人的にはアウトだと思っています。

というのも、昭和や平成初期の武勇伝って、今ではコンプライアンス違反になるケースが多いですから。
(あくまで、そういう職種と時代を生きてきたひとりのサラリーマンとしての意見です)

あくまで私見ですが・・・
本当にすばらしい仕事をしてきた人は、それを "見せつける" ような言い方はしない気がします。さらにいえば、"見せつけない" 上で仕事ができるから、周りの人が "魅せられる” のだと思います。私にとっては、そんな人が 理想であり、カッコいい人間像です。

もちろん、サラリーマン人生、大変な仕事はたくさんあるので、それを経験してきたら、後輩に言いたくなる気持ちも理解できます。でも・・・たいがいはそれを話す場合、自慢話や押しつけ話になってしまう気がしています。そうなると、話せば話すほど、後輩は聞かされれば聞かされるほど、双方の心の距離が離れていってしまいます。
事実、いろいろな相談を受けていても、仕事(キャリア)の悩みよりも人間関係の悩みで相談に来る社員が少なくなくありません。その背景には、ちょっとした言動や行動にすれ違いが根底にあったりします。
ですから、たとえ後輩が「そうなんですね」「大変でしたね」とリアクションしても、額面通りに取らない方がいいと思っています。上下関係にあれば本音が言えないのが当たり前ですし、昔と今とでは仕事のやり方も考え方も劇的に変化していますから。さらにいえば、若い社員の方がそうした変化にも柔軟に反応できています。
それを踏まえてあえて厳しい言い方をするなら、武勇伝を語る時点で、その劇的な変化についていけていないことを自ら証言しているようなものかもしれません。

それでも昔話がしたいなら、自虐的に失敗談を語ってみるのはどうでしょうか。
その失敗ネタで後輩が笑ってくれる、後輩がいじってくれる――それこそ心理的安全性が確保された環境ですし、先輩冥利に尽きると私は考えています。

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