ビデオ会議から考えるポストコロナ社会
外に出るなという要請を受けてテレワークということで在宅勤務になると、会議はオンライン会議になるわけですが、どんなソフトを使ってますか?
Zoomの評判が落ちてきた
Zoomが多かったのが、脆弱性が指摘されて、Googleでは使用禁止だとか。
オンライン会議アプリ「Zoom」は人々のリモートワークの移行に伴い利用されるようになっていきましたが、ユーザーの許可なくカメラが有効化される脆弱性や、OSの資格情報を盗まれる脆弱性、Facebookアカウントを持っていないユーザーであってもデータをFacebookに送信されてしまうことなど、数々の問題が指摘されています。このような状況を受けて、Googleは従業員に対し、ZoomアプリをインストールしたノートPCをリモート環境で使うことを禁止しました。
世界でも禁止する国が出てきているようです。
Bloomberg報道によると、台湾政府はセキュリティ上の欠陥がある恐れから、Zoomのようなサービスの使用を避けるとの声明を発表したとのことです。これまでにもSpaceXやその顧客であるNASA、それに米ニューヨーク州の教育省といった前例もありますが、一国の政府が全面的に禁じたのは初めてのことです。
ビデオ会議アプリはどこが良い?
じゃ、どのアプリが良いのかということになりますよね。
ちょっと前までSkypeがオンライン会議の代名詞みたいになっていたのに、今やいろんな会社からツールが出ています。
中でも、MicrosoftのTeamsが次第に人気になっているようです。
多くの人がリモートワークに移行する中で、オンラインビデオ会議アプリは必須アイテムとなりつつあります。Microsoft Teamsも需要が拡大し、1日で総計すると27億時間もの会議にMicrosoft Teamsが利用されていることが明らかになっています。これは2020年3月半ばの200%増であり、過去最大の数字です。
ポストコロナでどう変わる
そして、このオンラインビデオ会議の流れは、ポストコロナでも変わらないんじゃないかとMicrosoftは考えているようです。この記事では、Microsoft 365のチームを率いるJared Spataro氏にインタビューしてます。
Spataro氏は、パンデミック収束後でも、需要の低下は生じないとみています。中国ではロックダウンが解除されだしていますが、Microsoft Teamsのユーザーは、1月末の時点と比べて2倍の勢いで増加しています。リモートワークが一気に普及することで「新しい標準」が作られることになり、これまでになかった「働き方」が浸透することで、新しいツールが長期にわたって使われるようになるとSpataro氏はみています。
対面での会議よりもオンラインビデオ会議の方が良い点も悪い点もあると思いますが、若い人は、おじさんと一緒に集まらない方が意見を言いやすいんじゃないかという気もしますし、おじさんにとっても大きな会議室で並んでいる時にはクライアントの表情など見えないわけですが、オンラインビデオ会議だと画面上で、大きめに顔が見えて表情を観察しやすいという利点もあるように思います。
ポストコロナの市場をとるのはどこか
これに慣れると前の会議は別の意義を持たないと開催しにくくなるんじゃないですかね。多くの人に「部屋に集まる意味あります? オンラインでいいですよ」とか言われて、自席からオンラインで会議することもありそうです。そうなると会議室需要とか減るんでしょうか。オフィスも広くなくていいんじゃないかという流れになりそうなのに、ますます企業が部屋を持つ意味が減りそうです。
Spataro氏は今後、純粋なビデオ通話の利用が自然と減少していくと見ており、Microsoftは「単純なビデオ通話」以上のものを開発していくとのこと。「これが仕事や学習におけるターニングポイントだと感じています。現実に問題が起こっており、私たちは二度と古い方法には戻れません」とSpataro氏は語りました。
ビデオ会議アプリも、顔が写って音が出るだけではなく、顔に加工ができたり、背景が加工できたり、変化を付け加えるアプリが出てきています。このテレワークが非常時ではなく、日常になっていくとなると、何が必要になるのか、それを見極めた会社がシェアを取るのでしょうね。
5Gの普及などもあって、通信スピードと伝送可能量が上がることで、デジタル社会が文字レベルから映像レベルに広がると、ますます物理的な距離が意味を失って、新しい産業社会が広がっていくんでしょうね。
その地ならしをコロナウイルスがしているような気がしてきました。