台湾社会の変化をピンクのパンダから考える
台湾事情で気がついたことを書いていきます。
旅行記は、こちらのブログからどうぞ。
ウーバーイーツよりピンクのパンダ
台湾で驚いたのは、屋台でもウーバーイーツのシールが貼ってあること。
おかゆ屋さんでも台湾発祥のタピオカミルクティでも、取り寄せ放題らしい。
でも、配達している人で目立っていたのは、ウーバーイーツよりもフードパンダなる会社でした。
ピンクのパンダが街中でも目立ちます。気になったので調べてみました。
フードパンダはドイツの会社
ドイツ・ベルリンに本社があって、東南アジアで発展中の会社のようです。
Foodpandaは、12か国で利用可能なモバイル食品配送市場です。アジア太平洋、ブルガリア、ルーマニアで主に活動しています。本社はドイツのベルリンにあります。 このサービスにより、ユーザーは地元のレストランから選択し、モバイルアプリケーションとWebサイトを介して注文することができます
急速に伸びているようですね。
台湾では他にもフードデリバリー系が伸びているようです。
事故が問題になっているようだ
でも、それだけに事故も多いようです。台湾名物のスクーターでガンガン走ってますからね。
料理宅配サービスは近年、台湾で急速に広まっている。2強とされるのは、フードパンダ(foodpanda)とウーバーイーツ(UberEats)だ。フードパンダによると、同社の今年1月時点の会員数は台湾に進出した2012年の35倍になり、配達員数は55倍に増加した。一方で、配達中の事故が相次ぎ、今年10月の国慶節連休期間中には、配達員が死亡する事故が2件発生した。死亡した配達員はそれぞれウーバーイーツ、フードパンダに勤務していた。
台北ではいち早く対応策を発表しています。こうした業務につく人は、兼業の人もいますが、実は正規雇用につけなかった人が多く、保険に入ってなかったりしますからね。
配達員を守る条例が早速作られているようです。
台北市政府は18日、料理宅配業者を対象にした行政規則を発表。配達員の傷害保険加入や台風など自然災害時の配達停止などが盛り込まれた。同市は他県市に先駆け、関連の自治条例の制定にも乗り出しており、市議会で審議が進められている。
日本でもウーバーイーツの配達員の事故をどうするか話題になっています。日本だとレンタル自転車の人が多いですが、台湾はスクーターですから事故も大きそうです。日本ではバスと自転車の戦いのようですね。
配達会社とユニオン
日本でもウーバー社の対応が問題になってますが、台湾のウーバー社も問題が多そうです。
死亡した配達員はそれぞれウーバーイーツ、フードパンダに勤務していた。だが、両社は配達員の労働保険を納付しておらず、死亡した配達員は労災の保障を受けられなかった。さらに、ウーバーイーツは台湾で企業登記をしていないため、労働保険の強制加入が適用されず、企業側に処罰が下されなかった。
日本でもウーバーイーツユニオンができてますが、台湾でも同様の動きがあります。
配達員として働く労働者側も、自らの権利を守るための仕組みづくりに動き出している。11月下旬、料理配達サービスの配達員でつくる台湾初の労働組合「台北市網路平台外送員職業工会」の運営が正式に始まった。フードパンダは労働組合の設立に好意的な見方を示しており、配達員の加入を奨励している。
便利の影に問題があるのは、日本も台湾も一緒のようです。
デリバリーから見えるもの
世界に広がるデリバリーサービスの発展は、なんなのだろうと思うところがあります。少し高くなっても家から出ずに食べたいという欲望は、ネットの中で買い物をするのと同じところから出発しているように見えて、なんだか、よりやるせないものを感じさせるのです。
日本よりも外食率が高い台湾では、家飯を作らないことへのハードルが低い(日本だと家庭の料理を要求する率が高いでしょうから)ので、より普及しているのでしょう。そして、それを支えているのはスクーター1台で仕事ができるという簡便さかもしれません。いろんな点で台湾社会にマッチしたのが普及の高さにつながっているように思います。
今回、4年前よりも台湾の平均収入が上がっているのだろうなと思うことが色々あったのですが、これもまた、それを裏付ける事実かもしれません。
サポートの意味や意図がまだわかってない感じがありますが、サポートしていただくと、きっと、また次を頑張るだろうと思います。